佐々木朗希の「元恋女房」や中日の「超高校級の強打者」らがプロの壁に阻まれる…“元・期待の新星”の現在地

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ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ

 しかしながら、2022年9月に右肘を痛めてトミー・ジョン手術を受けて、オフには育成選手になった。3年目の昨年は3月に支配下復帰を果たしたものの、10試合の登板で1勝1敗、防御率5.54という成績に終わり、今年もここまで4試合に登板して防御率は6点台と結果を残すことができていない。

 持ち味だったストレートの勢いが戻っておらず、その影響で変化球の威力も半減している。ただ、6月19日の二軍でのソフトバンク戦では6回を投げて被安打3、1失点の好投で今シーズン初勝利をマークしており、徐々に調子は上がってきているように見える。

 チームは好調な打線が牽引して首位争いを演じているものの、リリーフ陣は万全ではないだけに、何とかここから調子を上げて一軍の投手陣に加わってもらいたい。

 今回は3人の選手を取り上げたが、プロ入り後から右肩上がりで実績を積んでいく例の方が少なく、どんな選手にも苦しい時期があることは確かだ。3人ともポテンシャルの高さは誰もが認めるところだけに、何とかこの状況を乗り越えて、再び輝きを見せてほしい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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