佐々木朗希の「元恋女房」や中日の「超高校級の強打者」らがプロの壁に阻まれる…“元・期待の新星”の現在地
あわやノーヒット・ノーラン
松川と同じ高卒ドラフト1位で入団した選手では、石川昂弥(中日)も苦しんでいる。2019年のドラフトでは3球団が競合したように“超高校級の強打者”として注目されて、地元の中日に入団した。
3年目には一軍で初ホームランを放つと、4年目の2023年には121試合に出場して105安打、13本塁打をマークしている。だが、昨年は故障もあって69安打、4本塁打と大きく成績を落とすと、今年はここまでわずか9安打、打率.132と低迷し、二軍暮らしが続いている。
中日の球団関係者は、石川の現状についてこう話す。
「入ってきた時から飛ばす力は素晴らしいものがありました。木製バットへの対応も早かったですね。ただ、とにかく故障が多くて、しっかり体を鍛えるという部分が不足したまま、年数が経ってしまった。プロに入って、ここが伸びたという部分が正直、見当たりません。今の状態では一軍からもなかなか声がかからないと思います。もう一度しっかり鍛え直して、ゼロからすべてを作り直すくらいの気持ちが必要ではないでしょうか」
チームは、6月15日に金銭トレードで西武から佐藤龍世を獲得しており、ますます石川の立場は苦しくなっている。首脳陣やファンからの期待が残っている間に、何とか二軍で結果を残して一軍復帰を果たしたい。
ここまで取り上げた2人は高卒の野手で育成が難しい部分もあるが、比較的戦力になりやすい大卒投手で、順調なスタートを切りながらも苦しんでいる例はある。
その代表格は、椋木蓮(オリックス)だ。東北福祉大から2021年のドラフト1位でプロ入りすると、1年目には初登板で初勝利をマーク。さらに2試合目の先発となった日本ハム戦では9回ツーアウトまで被安打0であわやノーヒット・ノーランという快投を見せた。
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