「カビ検査を行っていない業者もある」 “小泉米”の検査の実態について小売20社に尋ねてみた驚きの結果

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 コメをめぐる一連の改革で時の人となっている小泉進次郎農林水産相(44)。しかしそのスピード感ゆえに、放出された備蓄米に新たな不安が――。必要とされる「カビ検査」が行われないまま流通してしまっているリスクが浮上し、関係者からは「実際にはカビ検査を一切、行っていない業者もある」との声まで上がっているのだ。そこで「週刊新潮」は、大手小売20社に対し、検査の実態について独自調査を実施。判明した驚きの結果とは……。

※本稿は「週刊新潮」2025年7月3日号掲載【小泉大臣“コメ改革”の爆弾 「備蓄米カビ毒検査」 大手小売20社を全調査】の特集記事を再編集したものです。

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 コメ担当大臣としてメディアを席捲する小泉農水相は、今やすっかり時の人である。「次の首相にふさわしい人」では高市早苗前経済安保相(64)を抑えて1位に躍り出るなど、昨年の総裁選で失った人気を取り戻した格好だ。6月22日に投開票を迎えた東京都議選でも、各候補者から引っ張りだこ。応援弁士として直前まで都内各地を駆け回ったのである。

 選挙戦最終日の前日、6月20日夜は中央区から立った自民党現職の元に来援。空調の効かない選挙事務所は100名を超える人々で立錐の余地もなく、熱気で汗が噴き出すほどだった。

「皆さん、私の頭の中にあるのはお米のことだけだと思っているでしょう」

 この日の小泉農水相はそう自分を弄(いじ)って、聴衆の笑いを誘っていたが、

「都議選は、7月20日に投開票日を迎える参院選の前哨戦という位置付けでした。しかし、今回、自民党は告示前の30議席(裏金問題で非公認の5名を含む)から過去最低の21議席まで減らしました。衝撃的な結果ですよ」

 とは政治部デスク。

「敗因は都議会の裏金問題に加えて、2万円の給付金公約が都民の不興を買ったことです。日米関税交渉も事実上、暗礁に乗り上げています。結局、参院選のウリになるのは、小泉農水相だけだということがはっきりしました」(同)

カビ検査「メッシュチェック」の問題

 もっとも、小泉農水相も自身が政権の命運を握る存在であることに自覚的なようだ。大臣就任直後の随意契約による備蓄米放出の決定を皮切りに、「概算金」(コメ農家がJAから受け取る前払い金)の廃止をJA全中に要請するなど、矢継ぎ早に改革姿勢を打ち出しているのは参院選を見据えてのことだろう。

 しかし、スピード感を重視するあまり、小泉農水相の施策の中には消費者の食の安全や現場の農家を蔑ろにしかねないものがある。

 その筆頭格が本誌(「週刊新潮」)6月19日号が既に報じた、備蓄米出荷時のカビ検査(「メッシュチェック」)の問題だ。

 大手卸関係者が言う。

「これまで政府は、古い備蓄米を放出する場合には必ず、メッシュチェックによるカビ検査を行っていました。古い備蓄米にはカビが発生する可能性があるからです」

 カビが発生した玄米はほかの玄米とくっついて塊になる。問題のない玄米は約1センチ四方の網目を2枚交差して重ねたものを通過するが、カビの塊となった玄米は網目に引っ掛かり判別できる。これがメッシュチェックの仕組みである。

「“小泉米”では検査の一部が小売業者に委ねられました。しかし本来、検査は政府の管轄です。我々、大手卸にすらメッシュチェックの設備がないというのが実情なんです」(同)

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