統一教会「韓国500億円聖地」に見る底なしの集金力 安倍元首相事件後も政権と癒着ベッタリ…教団崩壊はあるのか
一時は分裂の兆しも見られたが…
かつて韓国では、統一教会は「有名なカルト宗教のひとつ」として認識されていたが、安倍元首相襲撃事件を機に、過去の悪名が一気に明るみに出た。日本のみならず韓国でも老若男女を問わず、社会全体から非難の的となった。
教団の最大の資金源のひとつだった日本の統一教会は、政府による解散命令が下された。文鮮明氏の子どもたちによる後継争いもあり、教団内部には分裂の兆しも見られた。それゆえ2022年の事件当時は、遅くとも2024年までに統一教会は自滅するという見方が強かった。だが実際には、教団はいまだ強大な影響力と資金力を保っていることが、天苑宮の竣工からも見てわかる。その背景には、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権へのロビー活動があるかもしれない、という疑惑がある。
大統領夫人にダイヤのネックレス、シャネルのバッグ?
検察の調べによって、教団の本部長級幹部A氏が、ある“霊媒師”を通じて、尹錫悦前大統領の妻・金建希氏に、6,000万ウォン(約636万円)超の高級ダイヤモンドネックレスを贈るよう指示していた事実が確認された。現在、その捜査が進行中だが、この霊媒師は尹夫妻と親しい女性として知られており、A氏は彼女を通して統一教会に有利な要望を伝えようとしたとされる。
また2022年7月、安倍元首相が亡くなったまさにその月に、教団側はやはり霊媒師を通じてシャネルの高級バッグを金建希氏へ贈ったともいわれる。そのバッグは、秘書を経由して本人に届いた疑いがあると検察は見ている。
時の政権との癒着を狙った統一教会の最大の目的は、カンボジアでのビジネスだったという。実際、尹大統領夫妻が2022年12月にカンボジアを訪問した際、幹部A氏と財務担当幹部が同行していたことが確認されている。A氏は現地で、霊媒師に教団のビジネスに関するメッセージを送り、政権側への“伝言”として機能した可能性も指摘されている。
[2/3ページ]



