「私も後を追いたいと…」命を絶った父との約束が支えに “アイドル×お天気キャスター”ハードな二刀流への道
毎週水曜日、椿野ゆうこ（24）は午前2時頃に起きる。TOKYO MXの朝の情報番組『おはリナ！』に気象予報士として出演するためだ。テレビの画面ではにかむような笑顔とともに天気を伝える彼女にはもう一つ、アイドルグループ「ひめもすオーケストラ」としての顔がある。
【写真36枚】グラビアでは “男子の理想形を具現化した美少女”のキャッチフレーズで大人気…思わず目を奪われるニット姿の椿野ゆうこ
「前日の夜にアイドルのライブがあった時には寝ないで、そのままテレビ局に向かうこともあります。でも、これまでライブを体調不良で一度も休んだことないんですよ。体力だけには自信があります！」
難関の気象予報士の資格を取得したのは昨年3月。それ以来アイドル、お天気キャスターという異例の“二刀流”で活動をしている。
オール5の優等生だったはずが…泣きながら学校に
科学への興味の芽生えは、小学生の頃。母親が働く京都の青少年科学センターで、生き物や自然への関心を育んでいった。成績は優秀で、中学時代は体育と美術以外の教科では5を取り続けた。そして京都では3本の指に入るトップクラスの進学校へ入学。ただそこで大きな壁に当たる。
「入学して最初のテストで『あれ？』となりました。問題も難しいし、授業のスピードが速くて全然ついていけない。勉強には厳しい学校で、土日も模試で学校に行くのが当たり前なんです。塾にも通ったんですが、周りと比べるとできなくて。好きだったはずの勉強もどんどんつらくなってしまい、泣きながら学校に行っていました」
支えになった「ねるちゃん」
自信をなくした椿野の支えになったのがアイドルだった。もともと小学生の頃からAKB48などアイドルが好きだったが、この頃、欅坂46の長濱ねるの存在に救われたという。
「ねるちゃんは頑張り屋さんなんですよ。苦手だなと思ってることもすごい真っ向から取り組んでいて。アイドルだから色々言われることもありますし、ちょっと辛い思いもあったと思うんですけど、ねるちゃんは頑張っていて。本当に学校がつらい時期だったので、アイドル好きから“アイドルがないと生きていけない”までなりました」
椿野のアイドルへの思いは強くなり、ついには自らアイドルになりたいと思うようになっていた。
受験真っ只中の高校3年の夏、椿野は京都駅で夜行バスを待っていた。東京で行われる「坂道合同新規メンバー募集オーディション」を受けるためだ。親には受けることは伝えず、「アイドルのオーディションを受けに行きます」と置き手紙を残した。
「私自身、アイドルに救われていたので、今度は誰かを救えるアイドルになれたと思って受けました。親には1回受けたいと伝えて反対されて、その時に『何考えてるんだ、勝手にしろ』と言われたので勝手に東京に行きました（苦笑）。ただ親には悪いことをしたなという思いはずっとあって、実際電話がかかってきてめちゃくちゃ怒られました」
最終的にオーディションには落選する。だがその時、自分も誰かの心を救える存在になりたいという夢が、はっきりと形を持ちはじめていた。
[1/4ページ]
