なぜ今?HALCALIが異例のブレイク…活動再開の可能性は 希少になった「女性デュオ」の異端児
今さらのブレイクのなぜ
さて、今ブレイクの兆しを見せているのは、HALCALIの「おつかれSUMMER」という楽曲だ。前述のファースト・アルバム「ハルカリベーコン」収録曲である。
同曲はFantastic Plastic Machine(FPM)として活動していた音楽プロデューサーでアレンジャーの田中知之氏が制作に携わった。今回の再注目に田中氏は「当時、私が提供したものですが、何か不思議な気分」「(デモテープは)私の手元にはないが、RYO-Z君は、いまだにテープを保存してくれているようです」とのコメントを寄せている。田中氏はこれまでFPM名義で8枚のアルバムをリリースしており、最近では「東京五輪2020」で開閉会式の音楽監督を務めた。
近年は、YOASOBIや米津玄師らの海外進出とともに、松原みき「真夜中のドア」や杏里「悲しみがとまらない」といったシティポップの形でも、日本の音楽が海外で注目されている。HALCALIも、そうした流れを受けてにわかにヒットの兆しを見せ始めているのだろうか。
「22年前の作品とはいうものの、斬新なヒップホップと彼女たちの音楽性が見事に融合した楽曲で、特に海外ファンによるTikTokがバズっていたようです」(先の音楽関係者)
SNSやメッセージアプリでの反響を元にした「Spotify」のバイラル・チャートでは、マレーシア、タイ、ベトナム、カザフスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、韓国といった国々で突出した人気を見せているそう。「数カ月前までは1日あたり2500回程度だったのが、今は連日15万回再生。まもなく1000万回目前」(同)だとか。
今年4月にRIP SLYMEが5人体制での活動を再開したことで、メンバーのかつてのプロデュース作品として、注目度を高めたこともブレイクの背景にあるようだ。
活動再開の可能性は…
思わぬ注目を集めたことで、HALCALIファンからは活動再開を期待する声が出始めている。だが、レーベル関係者は「現時点では何も決まっていません。おそらく2人も驚いているんじゃないでしょうか」と、未定だと語る。
HALCALIデビュー当時のレコード会社であるフォーライフでは「タンデム」「ギリギリ・サーフライダー」など過去作品のMVを急遽YouTubeで公開している。