「熱烈なファンがライバル選手に刃を」「試合を放棄しろと脅迫」 “女王の中の女王”シュテフィ・グラフが味わった苦境と逆転劇(小林信也)

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 シュテフィ・グラフは、女子テニスの歴史の中で「女王の中の女王」と呼んでもいい存在だ。

 1987年8月から91年3月まで186週間、世界ランキング1位を守り続けた。通算377週と共に、いまも女子最長記録だ。

 グラフは幼い頃からその才能を認められて育った。最初に将来を確信したのは、自動車のセールスマンだった父ペーターだ。

 69年6月14日、ドイツのマンハイムで生まれたグラフは4歳からテニスを始めた。7歳の時、ミュンヘンの伝統あるジュニア大会で優勝する娘を見た父はプロとして成功させようと支援を決意した。...

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