“デマ情報”に“2馬力選挙”…あまりに無秩序な「選挙戦」を新聞・テレビはどう報じていくのか 注目の都議選を前に「NHKと全国紙4紙」の回答を一挙掲載

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読売新聞の回答1

 5社のうち最も長文の回答は読売新聞だった。読売新聞グループ本社広報部からの回答を全文、ご紹介する。

《先の衆院選や兵庫県知事選では、SNSを通じて、真偽不明の情報や虚偽の情報が拡散し、選挙結果を左右したとされています。さらに、公職選挙法の趣旨をないがしろにするような「2馬力選挙」、東京都知事選では、選挙ポスター掲示板を事実上「売買」する行為なども問題化しました》

《当社は、こうした状況を民主主義の危機ととらえ、兵庫県知事選直後の2024年11月24日付朝刊から連載「SNSと選挙」をスタートさせました》

《この連載では、正確性が軽視され、広告収入につながる閲覧数が偏重される「SNS選挙」の実態や、それを支える担い手たちの存在、社会の分断が深刻化する諸外国の事情、公職選挙法など法体系の不備のほか、そうした混乱に有効策を打ち出せない政治の状況について、現在まで計5回のシリーズで浮き彫りにしてきました》

《さらに当社では、日本ファクトチェックセンターや、日本新聞協会に加盟する一部の有志社と協力して、選挙に影響を与えかねない真偽不明の情報に対するファクトチェックを今月22日に投開票される東京都議選から実施し、その結果について根拠を示して公表していくことにしています》

読売新聞の回答2

《報道の使命は、事実に基づく報道により、民主主義の発展に寄与することにあります。今後も当社は、有権者の適正な判断や投票行動に資する、公正な選挙に必要と考える情報について積極的に報じていく方針です》

【3】公職選挙法の改正が必要だと感じたことはあるかとの質問には「ある」と回答し、具体的には以下の説明があった。

《インターネットを利用した選挙運動が定着する一方、ネット選挙が解禁された2013年当時には想定されていなかった様々な事態が生じていることを踏まえれば、SNSや「2馬力選挙」について、実効性のある規制を検討する必要があると考えます》

《例えば、インターネットの適正な利用を定めた公職選挙法142条の7にある「表現の自由の濫用」の例示に「虚偽情報の発信」を加えることは検討に値すると考えます》

 まずは5社が都議選でどのような報道を行うのか、こちらも注目を集めることになりそうだ。

 第1回【「都議選」「参院選」を目前に控え「NHKと全国紙4紙」に尋ねた“選挙報道を変えるつもりはあるか” SNS全盛の時代に求められる大手メディアの役割とは】では、産経新聞とNHKの回答をお伝えしている。

デイリー新潮編集部

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