大学で「足し算」「かけ算」を教える意味はあるのか? 実際に教えた数学者が「ある」と胸を張るワケ

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 大学で「義務教育レベル」の内容を教える――そんな授業が、財務省の審議会で問題視された。東京理科大学理学部教授や桜美林大学リベラルアーツ学群教授を歴任し、数学教育に半世紀以上携わってきた芳沢光雄氏は、実際にそんな授業を行ってきたひとりだ。大学で足し算やかけ算の四則計算を改めて学ぶ大学生たちを、芳沢氏は「教育の犠牲者」だと語る。

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 4月15日に財務省で開催された財政制度分科会の内容が、波紋を呼んでいる。翌日の朝日新聞朝刊に掲載された記事「一部私大の授業『義務教育のようだ』財務省『助成見直しを』」によると、基礎的な内容を大学の授業で教えることを、財務省が問題視したものである。...

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