幹部がコカインで逮捕「日本駆け込み寺」創始者が明かす「200億円詐欺会社との関係」と2年前にもあった「相談員とトー横キッズ女性との不適切な関係」

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駆け込み寺の業務の一環だった

 駆け込み寺の2階に森野氏が過去に代表を務めていたX社が入居していたことについては、

「森野氏は22年2月にX社の代表取締役を辞任し、別の人物が会社を株ごと買い取っています。その会社を買い取った人から『仕事をするオフィスがなくて困っている』と相談を受けたため、一時的に、フリッチの元スタッフたちと同様、2階を利用させることにしました。X社が駆け込み寺の2階フロアに入居したのは、23年1月6日で、森野氏との関係が切れて1年以上経ってからのことであるし、投資とは全く違う真っ当な仕事をしておりました。なお、この会社を登記することについても玄氏は同意していますし、この支援も駆け込み寺の業務の一環でした」(A氏)

 入居時にX社の代表を務めていた人物にも話を聞いたが、「私が森野氏から会社を買い取ったのは事実ですが、その時点で私は森野氏が詐欺をしていたことなど全く知りませんでしたし、当然、詐欺行為には一切加担しておりません。登記するにあたっては玄氏にもきちんと話をし、その後、会社の看板を出す了解ももらっていました」と答えた。

 両人とも、玄氏が今になって「知らなかった」と言い出していることに疑問を呈するのである。この点を玄氏に確認すると、

「新たに2階に入ってきた若者たちと面談したのは事実ですが、私は森野が何者か聞かされていなかったので、彼らが詐欺会社で働いていたことは全く知らなかった。X社の入居を承諾したのかについては覚えていない。何しろ、あの頃は腰の手術をして体調が芳しくない大変な時期だったので…」

 と曖昧なことを言い始めるのであった。

公金の使われ方については玄氏、A氏ともに「不適切な支出は絶対にない」

 フリッチ社については玄氏との見解の違いを訴えたA氏であったが、相談員をしていた職員B氏と駆け込み寺に相談しにきた女性が恋愛関係になった事案については、事実として認めた上で次のように語った。

「お互い年齢が近く、恋愛関係になってしまった。とはいえ当然、相談員としては絶対にあってはならないことであり、玄氏と相談の上、解雇しました」(A氏)

 A氏が代表理事を務めていた期間、東京都からは若年被害女性等助成事業として、23年度に3030万、24年度に3135万円の補助金が下りている(24年度の約900万円は現在支払いが凍結中)。この助成金について、玄氏とA氏、また取材した当時経理を担当していた女性に確認したが、「東京都からは細かく監査を受けており、不適切な支出は絶対にない」と口を揃えた。

 とはいえ、事務局長がコカインの所持・使用で逮捕された後に、団体の創始者が、過去にあった200億円の投資詐欺事件を起こした会社との関係、さらにはコカイン事件とは別の女性相談者をめぐる不祥事まで明かしたのだ。はたして公金で助成するに相応しい団体だったと言えるのだろうか。

 前編【「死のうと思って練炭を買ったんや」「アイツが目の前にいたら殺している」 幹部がコカインで逮捕「日本駆け込み寺」創始者の“崖っぷちインタビュー”】では、玄氏が事件発覚以降、抱えてきた怒りを赤裸々な言葉で語っている。

デイリー新潮編集部

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