「白鵬はひどい誹謗中傷を受けた」「協会はウソを」 迷える白鵬に手を差し伸べたのはトヨタ・豊田章男会長 次なる目標は「世界相撲グランドスラム」
【前後編の後編/前編からの続き】
6月2日に開かれた日本相撲協会の臨時理事会で、元横綱・白鵬の宮城野親方(40)の退職届が受理された。退職が報じられる直前には、横綱昇進を決めた大の里(25)の優勝パレードのオープンカーのドア係を黙々と務め、ファンの声援に「サヨナラ」と言わんばかりに手を振って応えるなど、どこか吹っ切れたような爽やかさを見せていた白鵬だが、その胸中は……。
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【写真を見る】この時にはすでに届け出を… 退職直前の「白鵬」の“吹っ切れたような表情”
前編【「処分解除を『あと1年待て』と言われ、白鵬の心は折れた」 相撲協会退職の全舞台裏 「協会の“圧力”で会見もキャンセルに」】では、白鵬が相撲協会に残ることを断念した経緯について報じた。
最終的に、白鵬の退職を慰留する声は大勢とならなかったが、理事長の八角親方は内々に「善処するので辛抱するよう」白鵬に伝えていたという。理事長に近い協会関係者は語る。
「八角理事長は、白鵬を他のベテラン親方の部屋に転籍させることも考えていたのですが、親方衆から支持する声は上がらず、実現しなかった」
「事実と違い、ひどい誹謗中傷」
ここまで、白鵬は「転籍できるのであれば」と迷っていた時期もあったそうだが、いっこうにその話が具体化しない。とうとう夏場所中には「協会の内側から改革することは諦めました。これからは外から応援します」と親しい知人に漏らすようになり、「これ以上、待てない」と退職届を出すことにしたのである。
「協会は白鵬に転籍話をして何度も慰留に努めたと発表していますが、それはうそです。しかも弟子の稽古指導に身が入っておらず、彼らを放り出して身勝手に辞めていくような印象付けまでされた。事実と違い、ひどい誹謗中傷ですよ」(前出の協会関係者)
それでは、白鵬は退職後の青写真をどのように描いているのか。
「世界相撲グランドスラム」
「白鵬は、相撲から遠ざかるわけではありません。退職後に、相撲関連の事業を立ち上げるべく、会社設立の準備を進めています」
そう語るのは、白鵬のタニマチ関係者である。
日本の大相撲とは別に、世界規模のアマチュア団体に国際相撲連盟があり、毎年、世界相撲選手権大会が開催されている。その関係者が続けて、
「白鵬は、『世界相撲グランドスラム』と銘打った組織を創設します。これまでわんぱく相撲大会『白鵬杯』を開催してきましたが、まずは国際相撲連盟と連携する形で、子供だけでなく、男子、女子と階級別で世界一を争う大会を主催する意向です。将来そこに派生するビジネスにも手を拡げたいと考えています」
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