「進次郎に変なことはさせない」 農林族のドン・森山幹事長が周囲に語る理由 小泉農水相が喧伝する「5キロ2000円」の落とし穴とは

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「JA関係者の中にはアレルギーのある方もいるかもしれませんが……」

 そこで、森山幹事長本人に話を聞くと、

「進次郎さんは発信力もありますし、農林部会長もやっていましたから全くの素人ではなく経験があります。JAの関係者の中にはアレルギーのある方も一部いるかもしれませんが、誤解もあるでしょう。気にする必要はないと思いますよ」

 と、小泉農水相にエールを送るのである。さらに、

「今度放出することにした令和4年産の備蓄米については、まず大手流通と2000円台で販売できるような随意契約を交わして売りますので、2000円ちょっとで間違いなく出回ると思います」

 とも語り、小泉農水相の方針を後押しするのだが、

「今回の2000円台というのは4年産の備蓄米のことであって、新米ではありません。そこは農家さんもよく分かっていると思います。新米は新米で、適正な価格で販売していかなければなりません。今まで新米はあまりにも安過ぎましたが、米価が高騰するのも農家は望んではいません。新米は5キロ2800円から3000円くらいが生産費も賄える適正な価格だと思います」

 あくまで、小泉農水相が示す「2000円」という数字は備蓄米に限ったもので、新米の値段には当てはまらないとくぎを刺すことも忘れないのだ。

「新米の価格も下がるかのような誤解を与えている」

 しかし、前出のデスクは、

「小泉農水相は各局の番組などでまるでバナナのたたき売りのように『5キロ2000円』と繰り返しており、国民に新米の価格も下がるかのような誤解を与えているとの声も上がっています」

 と指摘する。

「小泉純一郎元首相も『自民党をぶっ壊す』など、強い印象を与える短いフレーズを使って、自身の政治姿勢を印象付ける“ワンフレーズ・ポリティクス”を得意としました。小泉農水相が『5キロ2000円』を連呼するやり方は、父親の政治手法を踏襲したものだといえます」(同)

 この点、先の青山氏も、

「たしかに、小泉農水相のやり方は小泉元首相の郵政改革を彷彿させるものです。小泉元首相は特定郵便局長会という業界団体を相手に大立ち回りを演じましたが、小泉農水相も農水省や業界団体のJAが進めてきた備蓄米の競争入札方式を随意契約方式に大きく転換し、改革姿勢をアピールする狙いがあります」

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