「進次郎に変なことはさせない」 農林族のドン・森山幹事長が周囲に語る理由 小泉農水相が喧伝する「5キロ2000円」の落とし穴とは

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農林族のドン・森山幹事長

 20日夜、森山幹事長が進次郎氏に農水相の就任を打診。進次郎氏自身が、その時のやり取りを記者団にこう明かしている。

「森山幹事長から打診を受けた際に“この局面で大事なことは、組織団体に忖度しない判断をすることだと思うが、よろしいですか”といった話をさせていただいた。族とか非主流派とかそういったことを抜きに、今誰もが思っていることは、コメの価格の高騰と、そして今マーケットに足りているかどうかという不安を解消したい」

 前出のデスクの解説。

「進次郎氏は自民党の農林部会長時代の2016年にJAグループの改革に取り組んでいます。農林族のドン・森山幹事長とは農水行政に関する考え方で隔たりがあるのは重々承知している。だからこそ、JAや農林族に遠慮せずに米価対策に取り組むため、あらかじめ森山幹事長に確認したのでしょう。森山幹事長も“問題ない”と応じたそうです」

小泉農水相に対するけん制とも受け取れる言葉

 だが、一筋縄ではいかないのが森山幹事長である。

 自民党関係者が明かす。

「森山幹事長は進次郎の祖父・小泉純也元防衛庁長官が同郷の鹿児島出身だった関係から進次郎には目をかけていて、昨年の総裁選でも支援に回っています。決して関係が悪いわけではないのですが、農政改革派である進次郎が農水相に就任するとなると話は別です。森山幹事長の意中の候補は、齋藤健前経産相(65)や宮下一郎元農水相(66)といった農水相経験者で進次郎ではありませんでした」

 続けて言うには、

「進次郎の起用に前のめりだったのは石破首相なんです。コメ対策に当たる進次郎が政権の命運を握ったと言っても過言ではないのですが、森山幹事長は周囲に“張り切り過ぎるのも困りますね”と渋面を作っています。特に、進次郎が農林部会長時代に共にJAグループの改革に取り組んだ奥原正明元農水次官(69)をブレーンに招かないか、警戒しています」

 政治ジャーナリストの青山和弘氏も言う。

「森山幹事長は5月24日に開催された自民党宮崎県連大会の講演会で、コメの価格に関して“安ければいいというものではない”と発言しました。小泉農水相に対するけん制とも受け取れる言葉です。実際、森山幹事長は周りに“進次郎に変なことはさせないですから”と話しており、自分が手綱を握らねばならないと考えているようです」

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