「親密にもほどがある」皇后のアドバイスで亡国の皇太子を選んでしまった「愛妻家皇帝」
古今東西、最高権力者の妻が後継者選びに影響力を持つことは珍しくない。しかし、その影響力が大き過ぎると、しばしば王朝や組織の安定を揺るがす事態を招く。
寵愛する息子を後継者にしようとするあまり、正当な後継者を排斥したり、誰を皇太子にすべきかに口出しして、兄弟間の争いを激化させたりする例は枚挙にいとまがない。後継者選びは、個人の感情や私欲ではなく、組織全体の将来を見据えた冷静な判断が求められるからである。
中国史家で関西学院大学名誉教授の阪倉篤秀氏は新刊『中国皇帝の条件 後継者はいかに選ばれたか』(新潮選書)で、最高権力者の妻が後継者選びに口出しして失敗した事例として、隋の文帝と独孤皇后のケースを取り上げている。...