〈事件が公になったら自死するしかない〉 性的暴行で起訴された元大阪地検検事正の「1万字直筆文書」の“隠された意図”とは? 専門家が読み解く

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「罪悪感や良心の呵責はない」

 さらには、

〈大阪地検は当面仕事にならないくらいの騒ぎに巻き込まれる〉〈総長や検事長の辞職もあるかもしれない〉〈上級庁に本件を訴えることをお考えのようですが、(中略)私のためというよりもあなたも属する大阪地検のためということでお願いします〉

 などと、大阪地検を盾にして事件の口止めを強いるのだ。

「被害女性も属する組織への悪影響をことさら強調しています。これもある種の脅しといえ、謝罪文からは真の意味での罪悪感や良心の呵責(かしゃく)は感じ取れません」(同)

 再びAさんが語る。

「北川から性暴力被害を受け、組織を人質にされ、自死すると脅迫されて苦しんできました。勇気を振り絞って被害申告をしたら、今度は北川と近い副検事が、内偵捜査中に北川側に捜査情報を漏えいし、“被害者が泥酔した北川を官舎に送り届けた”と虚偽の話を検察内外に広めました。副検事を名誉毀損などで告訴したものの、不起訴処分となりましたが、北川の直筆書面を読めば副検事のうそも明らかです」

 この「ざんげ」告白は、公判にどう影響を与えるか。

週刊新潮 2025年6月5日号掲載

ワイド特集「非常事態宣言」より

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