「私の男友だちと3人でどう?」自由すぎる年下妻についていけない… 通じない“常識”に悩む44歳夫の夫婦関係

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「今度、私の男友だちと…」

 そんな晴也さんを絵梨さんはどう見ていたのだろう。年下の絵梨さんのほうが、実はずっと恋愛経験も豊富で、修羅場をくぐってきたようだった。

「一緒に暮らして2年ほどたったころだったかな、絵梨が『今度、私の男友だちと3人でしない?』と言い出したんです。何をするのか最初はわからなかった。絵梨の色っぽい目つきを見て、えっと驚きました。僕にはそういう趣味はまったくなかったから。『経験、あるの?』と聞いたら、『あるよ』と軽く言われました。それがかなりショックだった」

 オレでは満足できないということかと彼はつぶやいた。すると絵梨さんは笑って、「そういうことじゃないの。あなたと私が一枚岩になって、そこにひとりが分け入ってくるのよ。楽しいじゃない?」と言う。晴也さんには何が楽しいのかわからない。

「オレたちの愛情はその程度のものだったのかと言うと、絵梨は『本当に信頼し合っている私たちだからこそ、できることなのに……』と不満そうでした。でも僕には理解できなかった。『もういいわ、忘れて』と彼女に言われてしまいました」

 絵梨は自分を好きではなくなったのか、僕にはもう魅力がないのか、飽きたのか、もともと彼女は性的にルーズなのかと晴也さんは考え続けた。

 ***

 なんとか絵梨さんとの関係を成就したものの、早速、不穏な空気が漂い始めた……。案の定というべきか、【記事後編】では彼女に振り回される晴也さんのその後を紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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