東西横綱が揃い「誰が優勝するかわからない場所」は減る…新横綱・大の里は「より相撲に集中できる環境作りを」【音羽山親方の夏場所総括】

スポーツ

  • ブックマーク

「誰が優勝するかわからない」場所は減る?

――大の里関の横綱昇進で、久しぶりに東西に横綱が揃うことになりました。早くも「大豊時代」の到来か? という声も聞かれますね。

音羽山:夏場所は豊昇龍も横綱として初めての優勝を狙っていたはずです。そして、大の里の綱取りを阻止する意欲は満々だったと思いますが、序盤戦の2敗が結果的に響いてしまった。それでも、千秋楽結びの一番で、全勝優勝を狙う大の里を上手ひねりで土俵に沈めて、横綱の「意地」を見せた。「オレだっているんだぞ!」という豊昇龍の気持ちが伝わってくる一番でした。

 2横綱が揃って、お互いを意識し合っているという面を考えると、これまで続いていた「誰が優勝するかわからない」という場所は少なくなっていくでしょうね。2人とも向上心を持ち続けて、相撲界を引っ張っていってほしいと思います。

大関が1人だけに…次は誰なのか

――一方、大関・琴櫻関が2場所連続8勝7敗と元気がありません。大関が1人だけになってしまい、次期大関の誕生も待たれるところですが、音羽山所属の元大関・霧島関が関脇で11勝(技能賞)と気を吐きましたね!

音羽山:1年前に大関から陥落して、そこから苦しんできましたが、首の負傷がだいぶよくなって、立ち合い、頭から当たれるようになったのが、勝因です。立ち合いに当たってまわしを引けば、霧島は力を発揮できる。「大関復帰」の基点となる場所になりました。

――若隆景関の12勝(技能賞)、三賞受賞こそならなかったものの関脇・大栄翔関の10勝も大関取りに繋がる成績になるかと思われます。

音羽山:若隆景は関脇での初優勝(2022年春場所)以降、ずっと大関取りを目指していたのですが、ヒザの負傷のため、連続休場して幕下まで番付を下げた。そこから三役まで復活して、12勝を挙げげたのですから、大したものですよ。来場所はもちろん悲願の大関取りに賭けてくるでしょうね。

 一方の大栄翔は、常に幕内上位、三役にいるのですが、あと一歩二歩が足りないというか、勝ち切れない。31歳と言えども体に衰えは感じないし、実力は十分あるんですけどね。

 この3人で言えば、3人ともどっこいどっこいという感じ(笑)。関脇の地位で、11勝、9勝、10勝という安定した成績を上げている大栄翔が、現時点では少しリードしている感がありますが、名古屋場所の体調や運などもありますからね……。逆に、もっと若い力士が大関に上がってほしいという願いはありますね。

次ページ:幕内でも暴れまくってほしい草野

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。