「人生に疲れたら畑においで」 元サッカー日本代表・石川直宏さんが農家になった理由

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「地域にいるプロフェッショナルのすごさ」

 第1回、第2回で登場していただいた中垣内さんと木村さんは家業を継ぐ形で農業を始め、専業で行うのは木村さんのみだ。それだけきっと、農業を「一から」「専業で」手がけるのは難しいのだろう。

 日本代表を務めた三人はまた、異口同音に「地域にいるプロフェッショナルのすごさ」を語った。先達の知識や経験に助けられているのだと。

 かくも農業は奥深く、名うてのアスリートにとっても挑むに値する、じつに手強い存在なのだ。

 第1回【「米農家の呪縛というか、使命感で」「休みは年に1週間」 元男子バレー日本代表監督・中垣内祐一さんが50代半ばでコメ農家デビューした理由】では、元男子バレー日本代表で代表監督も務めた中垣内祐一さんにインタビュー。50代半ばでコメ農家デビューした理由や、コメ作りの志などについて語ってもらった。

 第2回【陸上日本代表からシャインマスカット農家に転身! 木村和史さんが語った1年目の“やらかし” 「100万円近い損害が」】では、陸上4×400メートルリレーで日本代表として17年の世界陸上選手権に出場した木村和史さんにインタビュー。苦難続きだったこれまでの歩みと、それでも「農業が楽しくて仕方ない」という理由について語ってもらった。

西所正道(にしどころまさみち)
ノンフィクション・ライター。1961年奈良県生まれ。京都外国語大学卒業。著書に『東京五輪の残像』『「上海東亜同文書院」風雲録』『絵描き 中島潔 地獄絵1000日』など。

週刊新潮 2025年5月22日号掲載

特別読物「バレーボール、陸上、サッカー…なぜ『元日本代表』たちは農業に転じたか」より

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