「それはいけない!」と勝新太郎を羽交い締め…まさに松の廊下「影武者」降板をめぐる“黒澤明監督との大喧嘩”一部始終

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「おやかたさまは、あれにござるわ」――隠された武田信玄の死、瓜二つの容貌により信玄の影武者となった盗人。黒澤明監督の「影武者」が第33回カンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)に輝いたのは、1980年5月23日のことだった。邦画が同賞を受賞したのは衣笠貞之助監督の「地獄門」(1954年)以来。黒澤監督5年ぶりの新作、ジョージ・ルーカスとフランシス・フォード・コッポラが制作実現に尽力と、世界が注目する一作だった。

 日本でもこの年の邦画配給収入で1位を記録したが、もっとも注目されたのは「勝新太郎の降板騒動」である。...

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