「防空壕で生まれ、極貧の幼少期」 石破首相も頭が上がらない森山裕幹事長の知られざる素顔
“コメの自由化なんて事態になれば幹事長職は続けられない”
森山氏はいわば財務省の守護神として消費税を守り抜くつもりなのだが、永田町では農水族としても抜きんでた存在で、
「地元・鹿児島は畜産を中心とした農業王国ですが、森山氏は今や農水族のドンとして農政全般に影響力を行使している。当然、コメの問題にも目を光らせています」(青山氏)
先のデスクの話。
「森山氏は赤澤亮正経済再生担当相(64)に対して、米国とのトランプ関税の交渉の際に、勝手にコメ市場の開放を餌にして自動車関税の引き下げ交渉をしないようくぎを刺しています。周囲には“もしも、コメの自由化なんて事態になれば幹事長職は続けられない”とも漏らしているそうです」
米不足・米価高止まりの折、消費者の視点に立てばコメ市場の開放は悪いことばかりではなかろう。だが、森山氏は進退を賭してでも、コメの自由化を阻止しようとしているというのだ。
「森山氏は全国の農協を統括するJA全中トップと深い関係を結んでいます。石破首相が米価の値崩れを起こしかねない備蓄米の放出を決めた際には反対こそしませんでしたが、米価高騰の問題が発生した当初はJAに対する配慮の必要性を口にしていました。備蓄米放出後はその成果を強調し、記者陣に“コメは足りている。米価が高止まりしているのは中間の流通業者が悪い”と主張しています」(同)
「中国に絡めとられないか不安」
財務省、農水省やJAへの配慮が目立つ森山氏は今年1月、日中友好議員連盟の会長に就任。その座を長らく占めてきた親中派の二階俊博元幹事長(86)から、会長の椅子を譲り受けた格好だ。
「中国側は二階氏の退任に伴い日本側の出方をうかがっており、パンダ外交で揺さぶりをかけてきた。すでに、二階氏の地元・和歌山で飼育されている4頭のジャイアントパンダは6月末の返還が決まっています。森山氏は4月末に議連のメンバーを引き連れて、北京を訪問。パンダの貸与を中国側に要請しています」(前出の政治部デスク)
前出の自民党関係者が明かす。
「森山さんは“戦中生まれ”を自任していて、かねがね中国について“向こうには迷惑をかけている”と語る一方、“今の国会議員は台湾ばかりですから”とも口にして対中外交の重要性を説いています」
続けて言うには、
「森山さんは昨年、訪中した際に現地の工場を見学したそうで、しきりに“中国はすごいよ”と言っていました。中国に絡めとられないか不安です」
中国にも過度に“配慮”しかねないというのである。
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