「女優」という呼ばれ方に「誇りを持っています」 70歳・高橋惠子が持論「何でもかんでも同じにしちゃうのはつまらない」

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数々のスターと共演

 女優・高橋惠子(70)の初期の代表作に、日本テレビの大ヒットドラマ「太陽にほえろ!」がある。1972年から放送された同作で演じた婦人警官「内田伸子(通称シンコ)」役は、今も愛され続けているキャラクターだ。当時まだ17歳だった高橋は、そこでは石原裕次郎さんはじめ、数々のスターたちと共演した。裕次郎さんについて向けると、こんな話をしてくれた。(全4回の第3回)

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「裕次郎さんが撮影の現場にいらっしゃると、だれもが嬉しそうな顔になったことをよく覚えています。裕次郎さんは普通にしているのですよ。愛嬌を振りまくようなこともされませんし、自然に『おはよう』って挨拶する程度でしたけど、それだけでも雰囲気をガラリと変えてしまう。

 まわりをみると、また一緒に仕事ができる、きょうも裕次郎さんのためにがんばろうって顔になる。とても気さくな方で、偉そうにされるようなところは全くなくても、やっぱり街を歩いても、あのようなオーラのある人はどこにもいませんし、特別な人なんですね」

 裕次郎さんはいつも専用のキャンピングカーに乗って現れ、撮影中も出番がないときはそこで待機していたという。

「車の中に招いていただいたこともあるんです。中には大きなソファがあったり、テーブルがあったりして、コーヒーを飲ませてくださったこともありました。ぼおっとしてしまったのか、どんな話をしてくださったのかまではよく覚えていないのですが、やさしく話しかけてくださり、『昨夜は銀座で飲み過ぎちゃった』というようなお話もされていたような気もします」

 シンコは松田優作さん扮する刑事「ジーパン(柴田純)」と恋仲になり、婚約するが、ジーパンが殉職するという衝撃の展開が話題になった。

「優作さんは当時、文学座の研究生で、ご自身でも『F企画』という劇団を立ち上げていて、アングラ演劇に誘われて、出させてもらったことがありました。『太陽にほえろ!』が終わってからのことで、演出家としても才能を持ってらっしゃる方なんだなあと思いました。ノーギャラで2日間だけでしたけど、とても勉強になりました」

 劇団というと、当時は演技論と称して飲み明かし、一升瓶を何本も転がし、熱い気持ちをぶつけるあまり喧嘩沙汰になることもしょっちゅうだったことで知られる。

「そういうことも、多少ありました。とにかく熱かったですね、当時」と懐かしそうに振り返った。

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