港区や江東区ではない…いま東京で最も「中国人に買われている」場所 中国人向け不動産サイトを調べて分かった「意外な事実」

国内 社会

  • ブックマーク

コロナで激減したマンション掲載数は、2025年に再び最高水準に

 私が「神居秒算」の定点観測を始めたのは2021年1月のことだ。以来、毎月初めに、東京・大阪を含む主な12自治体の中古マンションの掲載件数を記録し続けている。

 その推移を見ると、東京が圧倒的に多く、大阪がそれに続いているのが分かる。

 東京の掲載件数は、観測を始めた2021年頃は3000~4000件の間で推移していた。ところが、2022年8月に激減する。恐らく“コロナ”の影響ではないだろうか。

 その後、2023年3月を底に反転し、増加傾向に。2025年5月には4,000件を突破した。一方、大阪は観測開始当初から大幅に減少した後、2023年10月あたりから徐々に増加してきたものの、2025年5月時点で1000件に届いていない。

 ただ、上記の掲載件数の変化だけでは「中国人が日本の中古マンションを積極的に購入している」状況かは分からない。「神居秒算」の中古マンションの掲載件数の変化を、他の市場指標(成約件数、在庫件数、価格など)や経済状況と比較した際、「なにが言えるか」こそが今回の分析の肝である。

「神居秒算」の掲載数と「一般の中古物件」の件数を比較すると?

 そこで、「神居秒算」の東京の中古マンションの掲載件数を、(東日本レインズ)が毎月公表している東京の中古マンション市場指標(在庫件数、成約件数、成約単価)と合わせて分析し、グラフにまとめた。

 分析結果からは、ある種の逆相関が読み取れる。一般市場の中古在庫の件数が増加すると、「神居秒算」の掲載件数は減少し、逆に一般市場の中古在庫件数が減少すると、「神居秒算」の掲載件数は増加する、という傾向である。

 つまり、一般中古の在庫数減少が示す市場の活況(たくさん売れている)と、「神居秒算」の掲載数増加が示す中国人の需要増とは、ある程度呼応していることが分かるのである。

 2024年以降に掲載件数が増加に転じているという事実も、購買意欲のある中国人が再び増え始めている兆しと言えそうだ。

 では、こうした需要は東京23区の、特にどのエリアに集中しているのだろうか。区別の掲載状況を見ていこう。

次ページ:買われるのは都心? それとも郊外? 調べて分かった意外な「人気区」

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。