「白雪姫」は実写化すべきでなかった…大コケを招いた「ポリコレ以前」のつまらなさとは
米ディズニーの実写版「白雪姫」(洋題「Snow White」)が、“映画史上最悪”という1億1500万ドル(約165億円)もの赤字に終わる見込みであることが話題になっている。日本では3月20日に公開されたが、あまりの客足の悪さにGW最終日を待たずに上映終了となった映画館が続出したとの報道も。「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」――誰もが知る超有名コンテンツが、ここまでの“大コケ”となった理由とは。(※本記事の内容には、実写版「白雪姫」の内容に触れるとともに、物語の根幹に関わるネタバレを含んでいます)
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映画の公開前からネガティブな印象が付きまとっていた
そもそも、実写版「白雪姫」は、本国アメリカでの前評判が芳しくなかった。主役を務めたレイチェル・ゼグラー(23)のSNSでのパレスチナを巡る政治的発言や、作中の重要な登場人物である「王子」をストーカー呼ばわりした過去の発言などが炎上したのである。
また、一部の保守的なファンからは、南米の血を引くレイチェル・ゼグラーの容姿が、オリジナル作品で形容される“雪のような白い肌”のイメージに合わないという批判も散見された。
近年のディズニーの実写化映画については、「いきすぎた配役への人種的配慮が、作品本来のイメージを台無しにしている」という意見も根強い。
ただ、L.A.在住の映画ジャーナリスト・猿渡由紀氏は今回の「白雪姫」の大コケは、「それ以前の問題」と指摘する。
「主演の人種を巡っては、『リトルマーメイド』でも同様の批判をする人がいましたが、こちらはちゃんとヒットし、興行的にも成功を収めています。『白雪姫』に公開前からネガティブな印象が付きまとっていたのは事実ですが、それだけを映画の大コケと結び付けるのは短絡的です」(猿渡氏)
実は、映画の失敗は3月21日のアメリカ公開から程なくして“ほぼ確定”していたのだという。
「これまでのディズニーの実写化映画と比べ、観客の評判の悪さが際立っていたのです」(同)
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