なぜ玉木雄一郎氏は「政治家YouTuber」で一人勝ちできた? 「アンチがファンに転向するケースも」
街頭演説に原点が
では、これまで玉木氏はどのようにして大量の“まき”を積んできたのか。
政治情報サイト「選挙ドットコム」顧問で、ネット選挙コンサルタントの高橋茂氏が、玉木氏の原点を振り返る。
「18年に旧・国民民主党が結党して間もないころ、玉木氏の地方演説に同行したことがあります。当時はテレビにほとんど取り上げられなかったにもかかわらず、地方でも必ず1人か2人、熱烈な玉木ファンがいた。玉木氏は話し上手で、人柄も親しみやすい。人気者の素質がある一方で、知名度が問題でした。そこで自分から発信してやろうと、YouTubeを始めたとか」
動画ではホワイトボードを使って解説する玉木氏だが、似た方法をすでに街頭演説で試みていた。
「巨大なディスプレイを設置して、そこにプレゼン用のスライドを流して政策を解説していました。相手に分かりやすく伝えるというのは、玉木氏の変わらない姿勢ですね」(同)
「批判が寄せられてもコメント欄を閉じなかった」
とはいえ、YouTubeでもそのスタイルを確立するまでには、紆余曲折があった。初期の動画を見てみると、首に「私を知っていますか?」と書かれたボードを下げた玉木氏が通行人に街頭インタビューをしてみたり、国会内の喫茶店を紹介してみたりと、内容に一貫性がない。
それでもチャンネルが衆院選までに一定数の登録者を得ていたのは、高橋氏いわく玉木氏の「門戸を開く」姿勢が視聴者に響いたからだ。
「手探りしつつ動画をあげる中でも、玉木氏はコメント欄を閉じるということがありませんでした。もちろん拙い内容に批判も寄せられるわけですが、それも参考にしながら“ウケる”方向性を模索してきた。それが現在の政策・時事解説という形につながったのです」
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