「三島由紀夫が心を開き信頼していた」 檄文を託されたジャーナリスト・徳岡孝夫さんの“人間性” 「初めての取材時から遠慮なく質問」
物故者を取り上げてその生涯を振り返るコラム「墓碑銘」は、開始から半世紀となる週刊新潮の超長期連載。今回は4月12日に亡くなった徳岡孝夫さんを取り上げる。
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1970年、当時「サンデー毎日」の記者だった徳岡孝夫さんは、三島由紀夫から電話で指定された東京・市ヶ谷に向かった。
事情を知らず赴いた徳岡さんは三島が主宰する「楯の会」の会員から封筒を渡される。中身は三島からの手紙と檄文、写真だった。〈傍目にはいかに狂気の沙汰に見えようとも〉という文面に異変を覚え、自衛隊の市ヶ谷駐屯地へと急いだ。...