旅行先の韓国で「コメ」を買う日本人が続出…スーパーで「コシヒカリ」4キロ2300円 日本に持ち帰るケースも
“米パニック”現象
日本人が韓国で米を大量購入している“米パニック”現象について、現地メディアは「韓国産の米を販売用に日本に輸出するのは異例」と強い関心を寄せており、テレビ局は韓国米を購入中の日本人女性へのインタビューを相次いで速報している。過去に東日本大震災の被災地に向けた救援物資として、韓国から米が輸出された事例はあった。だが、今回は日本国内の構造的な農業問題と日本人の消費行動を目の当たりにして、各メディアは自国の食糧安保に改めてスポットを当てている。
「韓国では国民の食生活の多様化により、米の消費量が1970年代の1人あたり約136キロから昨今は56キロまで減少しました。そのため、政府は農家の生計安定化のため毎年平均30万トン以上の米を買い上げて備蓄しています。しかし、それでも20万トン以上が供給過剰な状態です。
そこで韓国農林畜産食品部は4月1日に米の作付面積を、全体の11%にあたる8万ヘクタール削減するという強気の目標を発表しました。供給過剰が続けば米価の下落が繰り返されることを心配したからですが、日本の米不足のニュースが伝わると現地視聴者からは『米の需要が減ったからといってすぐ減反すれば、韓国の未来も日本のようになる』『食糧安保は重要だ』などと反発する声が噴出しています」(前出のジャーナリスト)
実は今回の日本の米パニックで注目を集めているのが、巨大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)前代表の発言だ。民主党は2年前に米価を安定させる穀物管理法改正案を提出。国会を通過したものの、当時の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が「ポピュリズム政策」と批判して、初めて大統領拒否権を行使したという曰(いわ)くつきの経緯があったからだ。
「民主党の改正案は、米の供給超過が3~5%以上、あるいは米価が前年比5~8%以上値下がりした場合、政府が超過生産分の買い取りを義務化するという内容でした。李前代表は当時、若手農民との集会で『国家間競争の激化や気候変動危機があり得るため、食糧安保は国の重要施策だ』と訴えていました。日本の米パニックは今や韓国の農業政策にまで影響を与え始めています」(韓国紙記者)
その一方で、日本の米不足は国内での争奪戦の結果との指摘も。
「国内の有名な米産地には、東京の高級料理店のバイヤーがしきりにやってきて、言い値で高価な米を根こそぎ買い取っていく、という現象が昨年から報告されています。インバウンドの外国人観光客に提供する高級すしや和定食などに使われているようです。実際に外国人観光客に供給される米の量は急増の一途。消費者の暮らしを守るため、韓国だけではなく台湾や中国など近隣諸国からの米輸入を本格的に考えなくてはいけません」(農協関係者)
いずれスーパーの安価なすしも外国産の米に頼らざるを得なくなるかもしれない。






