旅行先の韓国で「コメ」を買う日本人が続出…スーパーで「コシヒカリ」4キロ2300円 日本に持ち帰るケースも
価格高騰に歯止めかからず
米価格が高騰している。3月に小売店へ売られた新米の価格は昨年と比べ1.8倍以上、中食・外食事業者向けでは1.7倍という。さらに総務省のデータによれば、3月の全国消費者物価指数では米類が前年同月比約92%上昇し、比較可能な1971年以降で最大の伸びというから恐ろしい値上がりである。
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【写真】韓国のスーパーで実際に売られている「コシヒカリ」。4キロで約2300円。「お持ち帰り」を呼びかける張り紙も
農水省は3月に約21万トンの備蓄米の放出を始めたが、4月中旬までの4週間で卸売業者などに引き渡された量はたった2万トンとわずか9%に止まっている。これでは米価格高騰の歯止めになるわけがなく庶民の台所事情は苦しくなるばかりだ。
そんな中、大型連休のゴールデンウイークを利用して韓国に海外旅行に出かける日本人の間では、韓国の米を購入して日本に持ち帰るケースが続出している。実際にはどれほどの値段で売られているのか。
食糧事情を取材するため韓国を訪問中のジャーナリストがこう打ち明ける。
「韓国第2の都市プサンの農協系スーパーマーケットでは、慶尚南道北西部の自然景観に恵まれた田園地帯で収穫された『幸福の陽ざし』という銘柄米が、20キロで約6000円、10キロはセールで約2900円です。また、韓国でも単一品種ブランド米のコシヒカリが人気で4キロ約2300円。ざっくりですが、日本の半額どころかものによっては3分の1から4分の1ほどで購入できます。国産を好む日本人消費者に向けて日本語表記で『おすすめ商品・コシヒカリ』といった案内ポスターが出されているほど。日本人客への対応に積極的な姿勢を感じますね」
日本の米高騰を受け、3月から韓国産食品の輸入販売業者「韓国農協インターナショナル」(東京・千代田区)が、韓国産の米2トンを日本に輸出。公式ホームページによると、日本国内で販売されたのは玉泉農協の米で、全羅南道海南郡と農協が生産管理した韓国固有のジャポニカ米品種「タンクッヘッサル」(陽ざしの中で育った米という意味)だ。4月10日から同農協のオンラインショップで4キロ4104円、10キロ9000円(いずれも送料込み)で販売。東京・新大久保の韓国系スーパーでも販売されたが、すでに売り切れ状態となっている。ただ、先に述べた通り韓国現地で購入した方がはるかに安いのは確かだ。
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