令和ロマン・高比良くるま、ようやく復帰も…オンラインカジノ問題がもたらした深刻な問題
6人が書類送検
オンラインカジノでの単純賭博容疑で、吉本興業に所属する芸人6人が書類送検されるという事態が発生した。これに加えて、「M-1グランプリ」で前人未到の二連覇を果たした令和ロマンの高比良くるまも、過去のオンラインカジノ利用を自ら告白し、活動を休止。先日、復帰したものの、吉本興業との契約は終了してしまった。こうした一連の騒動は、当事者たちのキャリアを大きく損なうだけにとどまらず、ギャンブルを売りにしてきた芸人たち全体にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。
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今回の問題の本質は、芸人とギャンブルという組み合わせが健全なものとして受け入れられにくくなった点にある。オンラインカジノでの賭博行為は明確に違法性のあるものであり、その使用経験が公に知られることで、「ギャンブル好き芸人」自体がグレーな存在として認識されかねない。その結果、これまで公然とパチンコ・競馬・ボートレースなどの話をしていた芸人たちも、今後は発言やネタの内容に慎重にならざるを得なくなる。
実際、現在も活躍している芸人の中には、ギャンブル好きであることを前面に押し出してテレビやラジオに出演している者が少なくない。彼らの多くは自分たちのことを自虐的に「クズ芸人」と呼び、ギャンブルに夢中になって借金を重ねてしまうことを笑いのネタにしてきた。彼らの活動は、しばしば公営ギャンブルの番組やイベントとも連動しており、その出演にあたってはクリーンな経歴が求められる。
オンラインカジノという違法性のあるギャンブルとの接点が疑われるような人物を起用すれば、公営ギャンブルそのもののイメージが損なわれかねないので、主催者側としてはそこを慎重に見極めなければいけない。今後は「ギャンブル芸人」として売り出すこと自体が難しくなっていくことが予想される。
高比良くるまのケースは、ある意味で象徴的である。彼は逮捕されたわけでもなければ、処分を受けたわけでもない。それでも自ら活動自粛を選択したことで、復帰のタイミングを失ってしまっているような状態だった。「M-1」二連覇という肩書きを持つ彼のもとには仕事のオファーが殺到していたはずだが、自らの判断でそれを断ち切ってしまった。その結果、事務所や関係各所にも多大な損失を与えてしまったのだ。
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