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結局日本はアメリカの属国

・グーグルの親会社・アルファベットがサイバーセキュリティ会社を32億ドルで買収
・カナダの物価が軒並み上がったが、住宅のみ下がった
・4月2日にアメリカ政府は関税の額について3つのTier(階層)に分けて発表する、としたが、それは撤回された。メキシコがVAT(日本でいう消費税のようなもの)をかけていることにアメリカは反発。だが、メキシコもカナダも25%関税がないのでは、といった見方を示している
・Yum! Brands(米ファーストフード運営会社)はNVIDIAと協力し、運営するタコベル、KFC、ピザハット、ハビットバーガー&グリル(6万1000店舗)でAIによるサービスを提供。電話オーダー、ドライブスルーオーダーを自動化。人が介在しないでオーダーが通るようにする。サードパーティに任せるのではなく、自前のものを作る計画

 これらを読むことにより、「今後テスラ株はさらに下がるな」「トランプは案外カナダとメキシコに強硬姿勢を取らないかもしれないな」「中国のEVはかなりハイレベルらしいな。舐めてはいけない」「ファストフードを含めた小売店でAI化が進行するんだろうな」といったことが分かる。

 これを投資における判断材料にするのだ。そして、メルマガでは、WSJのコラムニストが独自の見解を述べているが、具体的に同氏が注目する銘柄を挙げてくれている。某氏はトヨタと任天堂に注目している、と書いたが、その根拠に目を通して東京証券取引所でトヨタ株を買ったが、やはり上がった。そして、翌日、トランプ氏が関税について優しいことを言ったためトヨタ株は急騰。すぐに売った。

 せいぜい1日に1万5000円儲かる程度の取り引きをしているのだが、WSJを読むことによって、その勘所は掴めていると思う。その点でWSJに感謝はしているものの、結局日本はアメリカ様の属国なんだな……といった寂しさも感じてしまうのである。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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