「キャビアや大トロなどは課税とすべき」 消費減税の問題点を専門家が指摘 「消費税を下げるのは間違った発想」
「家計への恩恵は限定的」
その財源に関してはこう言う。
「年間5兆円の財源については、消費税を5%から段階的に10%まで引き上げた時に増えた分の税収の使い道として、5兆円以上が政府債務の返済に回されていました。その分をそっくりそのまま削ればよく、社会保障には直接影響しないことになります」 (永濱氏)
ただし、永濱氏は現実的な消費税の引き下げ幅について、
「私の予想では自・公は、期間を定めて食料品の消費税のみを8%から5%に下げる程度にとどめると思います。やはり、自民党は財政規律を重視しますから。その場合は、約0.6兆円×3で、約1.9兆円の税収減で済みますが、家計への恩恵は限定的です」
「消費税を下げるのは間違った発想」
もっとも、慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授の小幡績氏は、
「消費税は安定した財源だという特徴があります。景気が良くても悪くても、税収の変動幅が小さいのです。変動が一番大きいのは法人税で、景気が良かったら法人からの税収は急激に増えます。また株式の譲渡税も、株価が上がれば増えるわけです。最近の日本の税収が回復しているのは、主にこの二つの税収が伸びているからです」
そう指摘した上で、次のように述べる。
「トランプ関税で今後、景気が悪化した場合、法人税や株式の譲渡税は減ります。だからこそ今、安定的な財源である消費税には手をつけるべきではない。一時的にインフレで苦しいからといって、消費税を下げるのは間違った発想だと言わざるを得ません」
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