勉強よりも「ガッツポーズの練習から始めました」 元プロ野球「GG佐藤」が明かす“合格率15%”の難関資格を半年でクリアする必勝法

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 西武、ロッテで活躍し、北京五輪代表にも選出された元プロ野球選手のGG佐藤氏(旧称G.G.佐藤。以下、佐藤氏)は、2014年の現役引退以降は、数々の難関資格に挑戦し、見事に合格を手にしてきた。父が経営している会社や野球解説者として多忙なスケジュールをこなす中で、どのように勉強に向き合い、難関を突破してきたのか。佐藤氏の勉強法や、資格を活かして活躍を続ける現在の姿に迫った。(全3回のうち第3回)

ガッツポーズの練習から始めた試験勉強

 資格の取得により、不動産の取り引きを幅広く行えるようになる宅建士の試験は、毎年10月3週目の日曜日に実施される。民法や宅建業のルールを定めた宅建業法、そして都市計画法などの法令上の制限や税金に関する出題が大半を占める。マークシート形式の50点満点の試験で合否が決められ、年毎に変動する合格点をクリアした上位15~18%の受験者が、合格を手にする仕組みとなっている。

 佐藤氏の父が代表を務める(株)トラバースで、土地の測量や地盤改良に取り組んでいた佐藤氏は、2018年4月の終わり頃に「将来はトランプ大統領のような不動産王になって、『GGタワー』のようなビルを建ててみたい」と思い立ち、宅建試験の受験を決意。

 まずは宅建について描かれた漫画を見ながら情報を集め、その後は合格者の知人に勉強法を尋ねたり、自分に合った受験用の問題集や参考書を選んだりしながら、約半年後に迫った本番に向けて最短ルートを模索していった。

 そして「最初から受かるイメージを持っていた」と話す佐藤氏は、本格的な勉強を始める前に、合格した時のガッツポーズの練習を始めることに。

「僕は最初に喜ぶことで、いつかその目標を達成し、喜べる日がやってくると信じていて、現役時代も本塁打を打った時の喜び方や、ヒーローインタビューの練習をしてから球場に向かっていました」と話す佐藤氏は、妻に毎日欠かさずに試験合格を伝え、快挙を喜ぶ習慣を欠かさなかったという。

興味があれば、やがて得意になる

「宅建は『どれだけ過去問を解いたかどうか』で合否が決まる試験ですから、多分誰でも受かるような気がします。正直に言うと、試験に落ちる人は過去問をやっていないか、本気で受かる気持ちがないか、そのいずれかだと思っています」

 佐藤氏は“らしさ”を交えながら謙遜気味に話すが、同氏が受験した年の合格率は15.59%。合格点は例年よりも高い37点以上に設定されており、数字だけを見ればなかなかの難度と言えるだろう。

 4年間ひたむきに野球に打ち込んだ法政大学では法学部に在籍していた佐藤氏だが、「周囲の力を借りて何とか卒業させてもらったので、学生時代は法律に触れたこともありませんでした」と、初学者と同然のスタートだったという。

 だが、そのような手探りの状況においても、佐藤氏は持ち前のコミュニケーション力を駆使してさまざまな情報を集めたり、SNSで出会ったライオンズファンの宅建講師に疑問点を質問したりして、合格に向けた努力を絶やさなかったという。

「興味を持てたものは、だんだん得意なものに変わっていきますし、もし自分が本当に望む目標だったとしたら、決してやめることはないと思う。もし、途中で諦めてしまうのだとしたら、結局はその人にとって、心の底から成し遂げたい目標ではないのかもしれません。もし『飽きっぽい』とか『続かない』と悩んでいる人がいるのなら、まずは自分が何としてでも登りたい山を見つけて、そこに挑戦していくこと。その方が、結果として幸せな人生を過ごせるのではないかと感じます」と、個性的な言い回しで当時の試験に対する強い思いを振り返った。

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