勉強よりも「ガッツポーズの練習から始めました」 元プロ野球「GG佐藤」が明かす“合格率15%”の難関資格を半年でクリアする必勝法
平日5時間、休日には10時間の猛勉強
半年間の受験生活を「苦しさは微塵も感じず、楽しく過ごせた」と佐藤氏は話すが、その実情は極めて過酷だ。平日は出勤前と昼休み、そして終業後の空いた時間を勉強に費やし、合わせて5~6時間に及ぶことも。休日になると開館とともに近所の図書館に出向き、陽が沈むまでの10時間ほど、参考書とひたすら向き合っていたという。
「僕が『勉強しよう』と思って近所の図書館を訪れると、日曜日なのに満室で、たくさんの人が真面目に勉強している姿を目の当たりにしたんです。その様子を見た時に『こんなに多くの人が、休日なのに勉強しているんだ……』ととにかく驚かされて。僕はそれまで野球選手として頑張ってきましたけど、それに引けを取らない努力をしている人がたくさんいることを初めて知り、『さらに頑張らなければいけないんだな』と思いましたし、自分自身を奮い立たせるきっかけにもなりました」
当時を振り返りつつ佐藤氏が続ける。
「僕は器用な性格でも、とりわけ暗記を得意としているわけでもないので、とにかく過去問を何度も解き直すことを重視していました。数をこなしていくうちにだんだん試験の出題傾向もわかってきて、徐々に点数も取れるようになる。地道な遠回りこそ、合格に向けた一番の近道だと思います」
緻密な計画を練りながら独学で勉強を進めていった佐藤氏に合格の秘訣を尋ねると、地道な復習に加えて、模擬試験への挑戦を挙げた。
野球で培った集中力
「僕は、本番を迎えるまでに予備校の模擬試験を全部で4回受けたんですけど、とある日のテストで、その中に一つだけ全く手を付けられない問題があって、試験後に答えを確認したんです。すると、本番で全く同じ問題が出題されて……。得した気分になりましたね(笑)。いつも同じことが起きるかどうかはわかりませんが、本番に近い雰囲気で試験に臨むと、思わぬ弱点や知らない情報を見つけられるかもしれない。合格に向けたヒントがあると思うので、できる限り挑戦してみることを僕はオススメしたいです」
思わぬ形で努力が報われた受験のエピソードを明らかにするのだった。
宅建試験には、法律の初学者にとっては難しく感じられる専門用語も多く見られ、佐藤氏と同じく約半年で合格する方ばかりではないのが実情だが、佐藤氏が一度も“エラー”をせずに合格を掴み取ることができた背景には、野球を通じて培った類い稀な集中力があると言っても良いだろう。
「たしかに妻や現役時代のチームメイトからは、『GG(佐藤)は集中すると、自分の世界に入り込むよね』と言われることが結構ありました」
そのように話す佐藤氏は、集中力に関する現役時代のエピソードを続けた。
「選手時代は、ベンチから出た瞬間に気持ちを切り替えて、『集中力を高めた時の俺は凄いんだ』と自分に言い聞かせながら打席に向かっていました」
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