宅建に測量士補、保育士まで…引退から11年「GG佐藤」が難関資格に挑み続ける「最大の理由」とは
西武、ロッテで活躍した元プロ野球選手のGG佐藤氏(旧称G.G.佐藤。以下、佐藤氏)は、2014年の現役引退以降は、数々の難関資格に挑戦し、見事に合格を手にしてきた。
父が経営している会社で働き、かつ野球解説者としても多忙なスケジュールをこなす中で、どのように勉強に向き合い、難関を突破してきたのか。佐藤氏の試験に対するモチベーションや勉強に対する考え方について語ってもらった。(全3回のうち第1回)
【写真】“ワクワクした気持ちで挑戦できる資格を取りたいです”と語るGG佐藤氏
ワクワクした気持ちで挑戦する
佐藤氏は現役を退いた後、父の克彦さんが代表を務める(株)トラバースに入社し、敷地調査に関する業務に携わり、その傍らさまざまな資格を取得してきた。
2017年に測量士補と2級土木施工管理の資格を取得したのを皮切りに、宅地建物取引士(2018年)、保育士(2019年)といった資格にも挑戦して見事に合格を掴み取った。だが、その後に挑んだ土地家屋調査士の試験では、合格に一歩及ばず……。
「2年間みっちり勉強して試験に臨みましたが、とにかく難しくて。『合格率9%は伊達じゃないな』と思いましたし、本気で勉強して臨んだので、結果を知った時には涙が止まりませんでした」
挫折の悔しさを明かすのは佐藤氏ご本人である。
佐藤氏は「キャリアを歩む際に必要となり、ワクワクした気持ちで挑戦できる資格を取るようにしている」と話すが、これまでに合格を手にした資格のジャンルは多彩だ。
2019年には、「会社の事業内保育に関心を持っていたことや、保育士の資格を持つ元野球選手が周囲におらず、挑戦する面白さを感じたこと」を理由に、保育士の国家試験にも挑戦した。
試験は教育に関する8科目の筆記試験と、2科目の実技試験によって合否が決められ、合格者は全体のわずか約20%という難関だ。佐藤氏は「これまでに馴染みがなかった知識も多く、勉強は大変だった」と話すが、それでも2年間の通信教育で勉強を続けた。
文武両道とは程遠い GG佐藤の学生時代
本番の実技試験では「水遊びをしている子供たち」をテーマにした絵画や、教官3人の前で「おむすびころりん」の読み聞かせを披露。
「試験の前に“目の前に子供がいるつもりになって全力で読んでください”と言われまして。少し恥ずかしさはありました(笑)」と当時を振り返るが、それでも佐藤氏は見事に吉報を掴みとった。
佐藤氏は、野球の強豪校として知られ、進学にも力を入れている桐蔭学園高校を卒業し、その後は法政大学に進んだ。とはいえ、そうした経歴とは対照的に、幼い頃は勉強に対する関心が薄く、あまり成績の良くない野球少年だったという。
「子供の頃に、僕の両親から“勉強しろ”と言われたことは一度もありませんでした。小・中学生の夏休みにはおそらく宿題も出されていましたが、僕は文字通りに“休むこと”を大切にしていて……(苦笑)。2学期が始まった頃にようやく宿題に手を付けて、なんとか9月中に提出するような感じだったと思います」
勉強とは縁遠い学生だった佐藤氏が、人生で初めて勉強に向き合うことになったのは、高校受験が差し迫った中学3年生秋のことだった。
「僕の中学時代の成績は、3年の途中までは全教科の評定が2.0でした。でも、推薦で高校に進むためには、どうしても3.0以上必要で……。思い切って当時の担任に相談してみることにしたんです。すると先生は、テストに出る箇所を僕に教えてくださって、その箇所を何度も必死に暗記して、最後の試験に臨みました」
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