「資さんうどん」東京初進出の衝撃…讃岐うどんとは対極の“柔らかいうどん”は東京人を魅了するか

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“やわい”が受け入れられるかどうか

 卓上には無料のとろろ昆布と天かす(揚げ玉)があり、一番安い「かけ」(355円)を頼んだとしてもたぬきうどんにはなるのである。すべてのうどんには資さんうどんの象徴たる「資」の文字が書かれたカマボコが2枚載っかっているため、これも立派なトッピングとなる。蕎麦もあるため、普段とは気分を変えたい時にはこちらを注文すればいい。

 デザートとしてぼた餅を頼む人もいるのだが、これが資さんの定番の締め方である。持ち帰りも可能だ。あと、天ぷらはカリカリとしていてこれは自宅に持ち帰ってうどんや蕎麦のトッピングにすることもある。現在筆者が通う店にはないが、以前頼んだかき揚げうどんは、プリプリとした海老が大量に入っており、しかも巨大だった。とても一人では食べきれず、連れと半分ずつ食べたのである。別皿のため、ふやかすことなく食べられるのも好ポイントである。

 資さんうどんは果たして東京で成功するか? そこは、はなまるうどんと丸亀製麺(元々は兵庫県加古川市発祥)という讃岐うどん勢により育まれた「麺は腰」という価値観以外に「やわい麺」が受け入れられるか否かにかかっているだろう。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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