「僕は忘れられたゴルファーだった」 マスターズ惜敗でも“最高にイイ奴”だった「ジャスティン・ローズ」は復活した元天才少年
「よし、みんなで再挑戦だ!」
今年のマスターズ最終日の夜。ローズがあらためてSNSに、こう記していた。
「僕は全力を尽くした……。ローリー・マキロイよ、マスターズ優勝とグランドスラム達成、おめでとう。あの瞬間を同じグリーン上で共有できたことは、とてもうれしいことだった。そして、僕のチームの面々には、この1週間のすべてのサポートに感謝している。よし、みんなで再挑戦だ!」
まだ諦めてはいない。諦めるには早すぎる。マイナスをプラスに変える楽しさを知っているローズは、今回の惜敗をきっと勝利に変えるはずだ。
ローズの優しい人柄とネバーギブアップの歩みをよく知っているからなのだろう。マキロイも「ジャスティンがマスターズで優勝するチャンスは、あと数回、残されていると僕は信じる」と頷いていた。
年齢的に考えれば、来年、再来年、もしかしたらあと3年後ぐらいだろうか。ローズがマスターズ制覇の悲願を達成するために残された時間は、長くはないが、ゼロではない。悲願が叶うかどうかは、ローズにも誰にもわからないが、たとえ勝てなくても、社会の片隅にいる子どもたちに手を差し伸べ、一緒に笑い合うローズから笑顔が消えることはない。そう思えば、少しだけ安堵はできる。
しかし、もしもこの世の中にゴルフの神様がいるのなら、「こういう選手にこそ微笑んでほしい」「こういう選手の悲願を叶えてあげてください」と、祈らずにはいられない。
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