高評価なのになぜか「あんぱん」の視聴率が伸び悩み…前作「おむすび」が残した深刻すぎる影響とは?
豪華なだけにもったいない
「キャストが豪華なだけに、嵩の父親(二宮和也=41)は最初から亡くなっていて回想シーンでの出演、のぶの父親(加瀬亮=50)は1週目で亡くなるというのはもったいないとしか言いようがありません。今後、二宮の絡みのシーンがどのようにストーリー化されていくのか、期待と同時に不安もあります」
のぶの祖父(吉田鋼太郎=66)にもあわや……というシーンがあったが、不幸を連想させるサブタイトルが続いているのも気になる。第1週は「人間なんてさみしいね」、第2週は「フシアワセさん今日は」、第3週は「なんのために生まれて」だ。
「ちなみに『おむすび』のほうは、第1週が『おむすびとギャル』、第2週が『ギャルって何なん?』、第3週が『夢って何なん?』……サブタイトルだけでも内容の薄っぺらさが思い起こされます」
平均視聴率で朝ドラ史上ワーストとなる13・1%を記録した「おむすび」だが、今のところ「あんぱん」はそれをも下回る。「おむすび」の初回は16・8%だったが、「あんぱん」の初回は15・4%だ。
「初回15・4%は朝ドラ史上ワースト3位という低い数字です。第1週は2話目以降も視聴率では『おむすび』のほうが上回っており、週平均で見ても『おむすび』が16・1%、『あんぱん』が15・2%という結果です」
初日だけ負けたわけではなかった。
第3週に期待
「『おむすび』の最高視聴率は初回の16・8%。それから半年間、数字が戻ることはなく、最終回は12・5%でした。この間、朝ドラ視聴をやめてしまった人が、相当数いたと考えていいと思います」
朝ドラは今、総合テレビの朝と昼に加え、BS、BSプレミアム4Kでも放送され、配信のNHKプラスやNHKオンデマンドでも見ることができる。視聴の方法が分散した結果、視聴率が下がったのでは?
「NHKが先日発表したところでは、NHKプラスの『あんパン』のUB(ユニーク・ブラウザ:視聴した端末数)は76万1000でNHKの全ドラマ中で最多を記録したそうです。もっとも、一緒に発表された『あんパン』の初回視聴人数は、総合テレビの午前で1730万2000人、BSの午前で360万人だそうですから、BSの視聴者は大した人数ではありません。朝ドラを視聴する人の大半は、総合テレビで朝に見ているわけです」
なるほど。
「となると、やはり『おむすび』によって朝ドラの視聴習慣が崩れたと見るべきです。おかげで『あんパン』は、1週目では朝ドラの視聴者が戻りきらなかったのです。『おむすび』で繰り返し言われた“米田家の呪い”ならぬ“おむすびの呪い”が『あんぱん』にかかっているとしか思えません」
今後、視聴者は戻ってくるのだろうか。
「主役である今田美桜と北村匠海の登場に期待するしかありません。2人の物語が視聴率アップに欠かせない要素です。『あんぱん』は第2週に入っても15%台をほぼキープしている状態で、4月10日にはシリーズ最高の15・7%を記録しました。一方、『おむすび』は2週目には14%台が続々と出ていましたから、2週目の平均では『おむすび』よりも良くなると思います。第2週の最後に今田と北村も登場し、第3週からはいよいよ本格的に2人の物語がはじまります。のぶの妹・蘭子役の河合優実(24)の登場を楽しみにしている人も少なくないでしょうから、16%台に上がってくるのではないでしょうか。万が一、彼らが登場しても数字が上がらないときは、朝ドラも危なくなります」
恐るべし「おむすび」の破壊力……。











