「中居正広氏」フジ報告書から透ける“男尊女卑”なホンネ…フジ幹部B氏がBBQの会で被害女性に「皿洗い」を指示した理由

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社員を助けないB氏

 第三者委員会はB氏も2回、フジテレビの女性社員に対してセクハラに及んだ事実を明らかにした。1回目は2022年ごろで、後輩の女性社員を食事に誘い、その席でキスをしようとしたり、体を触ったりするセクハラを行った。

 2回目は2023年、後輩の女性社員から仕事の相談を受けたため食事に誘い、その席では下ネタの会話に終始。さらにキスをしたり体を触ったりするセクハラを行った。

 A氏が深刻な被害を受ける前から、中居氏もB氏もセクハラ行為の“前科”があったことが分かる。

 スイートルームの飲み会で中居氏はスタッフに退出を指示し、彼らが従ったのは前に見た通りだ。置き去りにしてきた女性アナウンサーR氏とQ氏のことを、B氏が心配していた姿も報告書には記載されている。

 しかしながら第三者委員会は調査の結果、B氏は「タレントU氏が男性2人女性2人になる状況を望んでおり、それを受けて中居氏がスタッフに退出を求めた」のだと明確に認識しており、それに唯々諾々と従ったと指摘した。

抽象的で曖昧な反論

 第三者委員会はB氏の行動を「置き去り」と批判。B氏はタレントU氏や中居氏と近い関係にあり、自分のためにもフジテレビのためにも2人との関係維持が必要だったのが背景にあったとした。

 一方で心配する気持ちもある。そこでB氏は「まさか、U氏や中居氏が女性アナウンサーに対し、その意思に反して行為を強要するなどの最悪の事態は発生しないだろう」と思い込むことにした。

 しかし、女性アナウンサーのQ氏は実際にセクハラの被害を受けた。第三者委員会はB氏が《女性2人を残して退出することは拒むべきだった》と総括。B氏に《アナウンサーを危険から守ることよりも、タレントU氏及び中居氏への配慮を優先させる》との思考パターンが存在すると指弾した。

 中居氏は第三者委員会に対し、《Q氏がこの飲み会にいたかどうかすら》覚えていないなどと回答した。委員会は中居氏の反論は抽象的で曖昧だとし、《信用性に欠ける》と一刀両断。これに対してQ氏の説明は部屋の外にいたスタッフとのLINEの会話履歴など客観的な証拠にも一致しており《相対的に信用性が高い》と認定した。

 こうした経緯を経て、2023年5月にBBQの会が開かれる。中居氏と男性タレント2人とのゴルフが悪天候でキャンセルとなり、中居氏はBBQの会を開くことを決め、B氏にショートメールを送った。(編集部註:中居氏のメールには一部、誤記などがある)

皿洗いの指示

 中居氏が「男同士じゃつまらんね。女性いるかなね。一般はさすがにね。となり、フシアナ誰か来れるかなぁ」(註:原文ママ)と送り、B氏はA氏を提案する。

 5月31日の午後2時、B氏とA氏は合流した。中居氏はゲストルームのように使用しているマンションがあり、その近くの駅で待ちあわせた。

 タクシーで中居氏のマンションに向かう際、車中でB氏はA氏に「仕事でプラスになる」と言ったという。BBQの会で中居氏と会食することは、まさに「業務の延長線」だとの説明をB氏自身が行っていたことになる。担当記者が言う。

「業務の延長線上に位置づけられる会食であれば、誰だって座の中心に位置する人物と交流を深めようとするはずです。例えば大物政治家が記者クラブと懇親会を開いたとしましょう。出席した記者は政治家と会話し、その人間性を理解しようと努めるはずです。記者が男性でも女性でも変わりません。ところが『仕事でプラスになる』とアドバイスしたB氏に女性スタッフがどのように振る舞えばいいか尋ねたところ、B氏は皿洗いなどをして働くようにと指示したのです」

 中居氏のマンションにはテラスがあり、そこで出席者は肉を焼いた。男性タレント2人、TBSの男性社員2人、B氏とフジテレビの女性アナウンサーT氏、女性スタッフなどが飲食と会話に興じた。

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