記者団の真ん前で大粒の涙、しゃがみ込むと背中を震わせて号泣…「松山英樹」21年マスターズ優勝までに流した涙の記録

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いつものように練習して、試合でやるだけ

 マスターズ前週のテキサスオープンの際も、松山は「なんで自分はこんなに怒っているんだ?」と気づき、我に返ることができたそうだ。そして、「今週はミスを受け入れていこう」と心に誓いながらマスターズに臨んだ。

 だからこそ松山は、オーガスタ・ナショナルでの4日間は、柔和な表情、前向きな姿勢を保つことができ、ミスしても立て直し、その結果、グリーンジャケットを羽織ることができたのだ。

「努力というより、ゴルフが好きでうまくなりたい、勝ちたいという気持ちでやっている。これからもいつものように練習して、試合でやるだけです。でも、このマスターズでメンタル面が良かったことは、忘れないようにしたい」

「あの日」から、早4年。「あの日」以降、さらに5勝を重ね、今では通算11勝を誇る松山は、今年のマスターズでもメンタル面を良好に保ち、再びこの地で勝利することができるだろうか。

 マスターズ2度目の優勝とうれし涙を是非とも見たいと願っている。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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