本命は「シェフラーかマキロイ」でも「松山英樹」は不気味なダークホース 2025年のマスターズはどうなる?
シェフラーの調子は上がりつつある
シェフラーは米国出身の28歳。PGAツアーでは通算13勝を挙げており、そのうちの2勝はマスターズだ。2022年大会で初優勝し、昨年大会でも勝利したシェフラーは、今年はディフェンディング・チャンピオンとしてオーガスタ・ナショナルにやってくる。今年も優勝すれば、2001年大会と2002年大会を制したウッズ以来の連覇達成だ。
注目すべきは、過去2勝を挙げた際と今年とでは、大会を迎える際の状況が大きく異なっている点だ。2022年は春先から3勝を挙げ、その勢いのままマスターズを迎えて初勝利を収めた。2024年もシーズン2勝を挙げた上で、2度目のマスターズ制覇を果たした。
しかし、昨年のクリスマスにディナーの準備をしていて手のひらを負傷し、手術を余儀なくされたシェフラーは、今季の自身のキックオフが2月と出遅れ、シーズン序盤に1勝も挙げられないまま、マスターズを迎えようとしている。
とはいえ、エンジンがかかっていないわけではなく、優勝争いには何度か絡み、今季出場した6試合中3試合でトップ10に食い込んでいる。
調子は上がりつつある。そこにマスターズ2勝の経験値と世界ランキング1位の自信が加われば、シェフラーこそがマスターズ優勝に最もにじり寄る選手と言えそうである。
マスターズだけはなぜか勝てないマキロイ
北アイルランド出身の35歳、マキロイは、メジャー4勝、通算28勝の実績を誇っているが、マスターズだけは未勝利だ。言い換えると、マスターズで勝利することができればメジャー4大会全制覇となり、キャリア・グランドスラム達成となる。
しかし、毎年のように「今年こそは」と期待されながら、マキロイのマスターズ優勝はなかなか叶わず、オーガスタ・ナショナルで勝利を挙げることは、もはやマキロイの悲願となりつつある。
実を言えば、マキロイにはグリーンジャケットを羽織りかけて逃した苦い経験がある。2011年マスターズ最終日、マキロイは堂々首位を独走し、彼の圧勝とマスターズ初優勝は間違いないと誰もが思っていた。
しかし、折り返し直後の10番でティショットを大きく左に曲げ、民家の庭に打ち込んだあの瞬間から、彼のゴルフはガラガラと崩れていった。終わってみれば、80の大叩きで15位タイ。
あの経験がトラウマ化しているのかどうか。マキロイは、マスターズだけはどうしても勝てないまま今日に至っている。
しかし、シェフラーとは逆にマキロイは、今季序盤にAT&Tペブルビーチ・プロアマとプレーヤーズ選手権を制し、いい流れの中でマスターズを迎えようとしている。シーズン2勝をマークした上でのオーガスタ入りは、マキロイにとっては初めてのパターンとあって、優勝への期待は膨らんでいる。
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