ポルシェの横をノロノロと…渋谷のど真ん中で「トラクターの大行進」が! 農家たちが訴えた厳しいリアル 「稲作農家の所得は時給わずか10円」

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農水省の“考え方”

 しかし、農林水産省の考えはまったく逆だと農水省担当記者は言う。

「国としては農地を一つにまとめる取り組みなど、稲作の低コスト化を進めています。安い外国産米に市場が席巻されないよう、安くても供給できる経営体制にしたい。小規模兼業農家は高コストゆえに儲からないわけで、それを国が補填するのはおかしいというのが農水省の考え方です」

 それでもトラクター行進が一定の成果を上げたのは間違いない。宮下公園交差点では、8歳の男の子が公道カートと並走するトラクターの列を「カッコいい!」と夢中で見つめていた。その母親は「コメや野菜がこれ以上高くなったら死活問題。大変な思いをしている農家の方々を政府は支援してほしい」と共感した模様。

 令和の百姓一揆は今後1年、各地でデモや集会を続けていくという。

撮影・福田正紀

週刊新潮 2025年4月10日号掲載

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