令和ロマン・ケムリの人気が急上昇 相方の“不祥事”で逆に株を上げた「コンビ」の名前

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ナイナイの「公開説教」

 もともとコンビとしてラジオ番組を長年続けていたのだが、ある時期から矢部が抜けて、岡村だけの番組になっていた。その後、番組がリニューアルされて、コンビで出演する「ナインティナインのオールナイトニッポン」が復活することになった。矢部は相方のピンチに駆けつけて事態を収拾し、コンビ関係を修復してみせたのだ。

 2016年にはNON STYLEの井上裕介が当て逃げ事故を起こし、謹慎することになった。事件が発覚すると、相方の石田明は記者会見で真摯に謝罪をした。その後、個人として今まで以上に精力的に活動するようになり、バラエティ番組に出演するだけでなく、舞台の脚本・演出も多数手がけるようになった。吉本興業の芸人養成所「NSC」の講師として授業も担当している。

 コンビの片方の不祥事というのは、良くも悪くもコンビの関係性に大きな影響を与える。今までの力関係が逆転したり、仕事量に変動があったりする。

 不祥事そのものはお笑いコンビにダメージを与えることになるのは間違いない。ただ、個々人としては、必ずしも事態が悪い方に行くとは限らない。相方の不祥事をきっかけに芸人が再評価されることがあるというのも、お笑いコンビの不思議なところである。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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