「他に何をやるの、俺はお笑いだけだよ」…ダチョウ倶楽部「上島竜兵さん」を奮い立たせた「志村けんさん」の深すぎるアドバイス

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「どんどん連絡してこいよ」

 驚いたのはその3日後のこと。マネージャーが「バカ殿の仕事が急に決まりました!」と興奮している。97年、ダチョウは人気沸騰の「志村けんのバカ殿様」に初出演し、2000年代に入ってレギュラー出演するようになる。

 出会った時には、こんな会話もあった。

「もし飲みに行きたい時は、後輩から連れていってくれませんかというのが普通だと思う」

「いいんですか?」

「おう、どんどん連絡してこいよ」

 というわけで、毎晩のようにおねだりして高級クラブにも出かけた。飲みは週2のペース。ただし、志村が好きだったのは焼き芋焼酎だった。

 志村は亡くなる前年、人気だった舞台「志村魂」で共演する仲間のダチョウや磯山さやかと座談会に登場して語った。

「本当に忙しい頃は目いっぱい仕事して、終わると毎晩六本木で朝まで飲んでたなあ」

「仕事とか家庭で、つらいことや大変なことがあっても、何かひとつでも笑えることがあればね。その瞬間は気分転換になって、また気持ちが前向きになったりするだろ…そういうものを探していかないとね」

 鬼籍に入った3人が織りなす愉快な物語……。

峯田淳/コラムニスト

デイリー新潮編集部

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