「お婆さんが血塗れに…」「医師が説教している間に患者が亡くなったことも」 殺人隠蔽の「みちのく記念病院」元看護師が明かすウラ側

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階段を転げ落ちて

 これでは当然、事故も起きる。

「当時、病院は介護用の見守りセンサーを導入していませんでした。そのため、目と耳が不自由な認知症のお婆さんを、常に私たちの注意が及ぶナースステーション内のベッドに、寝かせていたことがあったのです。でもある日、夜勤中の看護師と介護士が部屋のカギをかけないまま、外まで一緒にタバコを吸いに出てしまったそうです」(前出の看護師)

 すると、老婆も無人になったナースステーションのドアを開け、フラフラと出歩いていったという。

「結果、院内の階段を転げ落ちて血塗れの状態で発見されたそうです。後日、私が見たら顔中が紫色に腫れ上がっていました」(同)

「説教している間に患者さんが亡くなった」

 こんな病院のトップを務めてきた隆容疑者は、みとりのタイミングについて“強いこだわり”を持っていたという。

「隆先生は“亡くなる直前に私を呼ぶように”というお達しを出していました。できる限り、生前の患者さんと向き合いたくないからです。ある時、隆先生を呼んだタイミングが少し早かったとして、看護師さんが説教を受けたことがあった。およそ1時間も“なぜ、あなたはこんなに仕事ができないのか”などと嫌みを言われ続けたそうです。結局、説教している間に患者さんが亡くなったといいます」(前出の看護師)

 そんな隆容疑者の印象は、

「とにかく暗いんです。無表情で感情の起伏もなく、何を考えているのか分からない人でした」(同)

 今回の事件の一報を聞いて、このような感想を持ったという。

「私はすぐに辞めましたが、当時から危険な病院だと感じていました。“やっぱりおかしなことになったな”と思っています」(同)

 底知れぬ闇は、どこまで明らかになるのだろうか。

週刊新潮 2025年3月6日号掲載

ワイド特集「スーパースター」より

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