4月から教習所は「オートマ限定免許」が基本に…“冷遇”されるマニュアル車に「高齢者こそ乗るべき」と専門家が語る納得の理由

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 そういえばマニュアル車なんて、もう何十年も運転してないな──。こんなベテランドライバーは相当な数に達するだろう。そのためなのか4月から自動車教習所のカリキュラムが変更になる。普通自動車の運転免許を取得しようと教習所に入学すれば、全員オートマ車で練習するのだ。マニュアル免許を希望する生徒はクラッチとギアの操作だけ“特別授業”が行われるという。

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 TBS NEWS DIGは2月15日、「4月から自動車運転免許、自動車学校のカリキュラムが変わる…『全員がオートマ』で、希望者だけ『MT』に 道路交通法施行規則の一部が改正、なぜ? 自動車学校も対応に苦慮」との記事を配信した。

 記事を作成したのはBSS山陰放送。このカリキュラム変更を《全員がオートマ。そして、マニュアルは追加オプションになるというイメージです》と報じた。

 なぜ、こんな改正が行われるのか。山陰放送が鳥取県の警察本部に取材を依頼すると、運転免許課は「大型自動車免許などにオートマ免許が導入される」ことを理由として挙げた。物流業界のドライバー不足を解消するため、大型車でもオートマ限定免許を導入する。こうした流れを受けてのカリキュラム変更だという。

 ところが、である。自動車評論家の国沢光宏さんは「物流業界の人手不足とか、そんな大テーマとは関係がありません。一部で伝えられる『マニュアル免許の不人気』も事実とは異なります」と言う。

「実際に自動車教習所に足を運べば理由は簡単に分かります。70歳以上のドライバーが免許を更新する際に必要な『高齢者講習』の受講者で大盛況で、有り体に言えばパンクしているのです。あまりに多くの希望者が殺到しているため、数か月先まで予約でいっぱいという教習所も珍しくありません」

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