新聞を読むだけではNG? 東大生が解説する「時事問題」の本質 試験で差がつく「解ける」「解けない」の決定的な違いとは
東大入学式での衝撃的なできごと
僕が東京大学に入学したときの出来事を紹介したいと思います。
それは入学式でのこと。当時の東大総長である五神真先生が、式辞で次のように話されたのです。
<私たちは知識の量ではなく、基本となる知識を柔軟な発想によって使いこなす力こそが大学での学びへの備えとして最も大切だと考えています。そのような期待を込めて出題させて頂きました。その期待にしっかり応えてくださった皆さんをここに迎え、これから仲間として共に活動できることを大変嬉しく思っています。>
*出典:「平成28年度東京大学学部入学式 総長式辞」
僕はこの話を聞いて衝撃を受けました。
どれだけの知識があるか、詰めこんだ知識の量よりも、持っている知識を関連づけて使いこなす能力を重視しているということです。つまり、知識量や知識を詰め込むだけが「勉強」ではなく、たとえ少ない知識であったとしても、その「活用法」を学ぶことこそが「勉強」だと東大は考えている、ということなのです。
そう考えると、単に「時事問題に備えて新聞を読もう」だけでは、試験対策にはならないということがわかるのではないでしょうか。
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この記事の後編では、引き続き『東大生が読み解く ニュースが1冊でわかる本 2025年版』(TAC出版)の著者・西岡壱誠さんが、時事問題が苦手な人に有効な「ニュースの理解を深める方法」について解説する。


