睡眠のプロが勧める「朝食べるべき“おにぎりの具”」 今すぐ実践可能なコンビニ快眠術を解説

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夜にコンビニへ行くと入眠の妨げになる?

渡辺:糖質と一緒にツナを食べるのが良いというのは?

ヒラノ:お米や小麦といった炭水化物の糖質も、体内時計を動かしてくれるんです。ちなみにイモの糖質には そうした働きがあまりない とされていれるので、そこは少し注意ですね。

渡辺:ツナマヨおにぎりはお昼に食べても効果ありますか? そもそも夜型だと朝起きるのが大変って人もいると思うので(笑)。

ヒラノ:理想は朝ですが、お昼でも食べたほうがいいです。体内時計には「光で動く体内時計」「食事で動く体内時計」「運動で動く体内時計」の3種類あるんですよ。

渡辺:起きたらカーテン開けて太陽の光をまず浴びろって、よく言いますよね。

ヒラノ:脳の体内時計は太陽の光で動くんですが、胃腸の体内時計は食事をしないと動かないんですね。なので、起床後1時間以内に何かしら食事はしてもらえたらなと。あと、逆に朝型すぎて悩んでいる中高年の方などは、夜のしじみの味噌汁がオススメです。コンビニでもインスタントであると思うんですが、しじみのオルニチンに体内時計を後ろにズラす効果があるので。

渡辺:夜型・朝型で摂りたい食材が違うわけですか。

ヒラノ:夜型で悩んでいる人は朝にツナマヨのおにぎりを、朝型すぎて悩んでいる人は夜にシジミの味噌汁を食べるというかたちですね。

渡辺:思ったんですけど、夜にあまり明るいコンビニへ行くのって睡眠にとっては良くないんですかね。コンビニ側の人間としては商品を綺麗に見せたり、防犯上のメリットなどもあったりするんですが。

ヒラノ:寝る前にコンビニへ行くと睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が減少して入眠の妨げになる可能性はありますね。ブルーライトってスマホやPCが有名ですが、コンビニのLED照明からも出ているので。

渡辺:コンビニで必要なものは早めに買っておくのが、睡眠的には良さそうですよね。

ヒラノ:メラトニンの分泌は眠りにつく4時間前から少しずつ始まるので、選手などには夕食後は照明を暗くするか、ブルーライトのカットメガネをつけることを推奨しています。

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 記事後編では「疲れにくい新幹線の座席」ほか、元大塚家具勤務というヒラノ氏の半生についても紹介している。

ヒラノマリ
東京生まれ、ロサンゼルス育ちの帰国子女。アメリカから帰国した小学3年生のときに不眠症を経験したことから睡眠に興味を持つ。大学卒業後、大塚家具に入社。一般のお客様から、ホテル、保養所、大使館など、個人から法人までのベッドや寝室全体のコンサルティングを経験する。その後、日本で唯一のアスリートに特化した睡眠のパーソナルトレーナー「スリープトレーナー」として活動をはじめる。プロ野球選手をはじめ、メジャーリーガーの藤浪晋太郎投手、サッカー元日本代表選手、東京五輪・パリ五輪銀メダリストなど、国内外で活躍するトップアスリートの睡眠や寝具選びをサポート。また、外資証券会社、一部上場製薬会社、大手通信会社などで睡眠セミナーをおこなう。近年は、プロ野球・東京ヤクルトスワローズなどのスポーツチームおよび一般企業への睡眠セミナーなども数多く担当。TVや雑誌のメディアにも多数出演。著書に『世界のエリートが実践! 人生を変える睡眠術』(大和出版) 『スリトレ』(虹有社)がある

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務などの活動の傍ら、全国で講演活動を行っている(依頼はやらまいかマーケティングまで)。フジテレビ「FNN Live News α」レギュラーコメンテーター、TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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