「この主人公役は、本当に私でよかったんでしょうか?」 大泉洋(51)が初挑戦する“一風変わったヒーロー”とは
日本史上初めて武士階級として一揆を起こした男・蓮田兵衛(はすだひょうえ)の知られざる戦いを描く映画「室町無頼」の撮影所に、原作小説の作者・垣根涼介さん(58)が足を運んだ。「実際の兵衛はこういう男だったのかも」と語るほど、見事にそのキャラクターを体現した主演の大泉洋さん(51)が、意外な思いを明かした。
***
【写真をみる】いつもと違う! “太眉”が印象的な主人公に扮した「大泉洋」
大泉洋が“アウトロー”なヒーローに
「この主人公役は、本当に私でよかったんでしょうか?」
京都市の東映撮影所を訪れた垣根さんに、開口一番こう尋ねた大泉さん。NHK大河ドラマの主役級、紅白歌合戦の司会などを務め、いまや“日本の顔”ともいうべき存在であり、変幻自在、どんな役でもこなせそうだが、「こういったアウトローのヒーロー役は初めて」と語る。
原作は、垣根さんの歴史小説『室町無頼』。舞台は、応仁の乱前夜の室町時代中期。貨幣経済や物流の発展で、かつてないほど貧富の差が広がり、同時に疫病のまん延などで死者が続出するも、権力者たちは無能無策で……という暗黒時代だ。そんな中、大泉さん演じる兵衛は、食い詰めた牢人や困窮する民を集め、巨大な権力に戦いを挑む。
ただし、分かりやすい正義の味方では決してない。無用と思えば関所に火を放ち、金品をくすねるアウトロー=無頼な男。堤真一さん(60)演じる、都の治安維持を任される荒くれ者の集団のリーダー、骨皮道賢(ほねかわどうけん)とも通じ、かつて一人の遊女を取り合ったことも。道賢から預かった、なにわ男子の長尾謙杜さん(22)演じる青年・才蔵を戦闘員にすべく、苛酷極まりない修業の場に送り込む非情さも見せる。
[1/2ページ]