被害者を殴り「この顔がいいんですよね」 女子高生コンクリ詰め殺人 51歳で孤独死「準主犯格少年」が犯した“残虐リンチ”の一部始終

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殺して、殺して

 法廷で明らかにされたリンチの実態は筆舌に尽くし難く、耳をふさぎたくなるような証言にしばしば傍聴席は水を打ったように静まりかえった。
 
 4人は、逃げ出さないようにライターオイルを女子高生の足にかけて、何度も火をつけた。熱がって、必死に火を消そうとする彼女を見て、大笑いし、結果、重度のやけどを負わせ、立てなくなるほどその傷が化膿するまで放置したのだ。

 小泉今日子の「なんてったってアイドル」のテープを掛けて、「イエーイ」の歌詞に合わせて、彼女のわき腹にパンチを入れて、顔がゆがむのを見て、Bは、リーダーに、

「この顔がいいんですよね」

 と喜んだという。

 彼女が生還できるチャンスを潰したのもBだった。ある日、リーダーが彼女を家に帰そうとした時、

「やばいですよ。チンコロ(警察に情報提供)するんじゃないですか」

 と、反対し、後輩にも、女子高生を帰すことに反対しろと言い含めたのだ。

 食事も与えられず、暴行を受けつづけた女子高生は、衰弱していった。

 武田鉄矢の「声援」という歌にある「がんばれ、がんばれ」という歌詞を歌いながら女子高生は苛められ続けた。女子高生は、時折、小さな声で自分に言い聞かすように「がんばれ、がんばれ」と呟いていたが、ついに「殺して、殺して」と哀願するまでに至ったという。

真摯に反省し、更生の努力をしている

 人の皮をかぶった鬼畜としか言いようのない行状であったが、この4人は逮捕された後、一転して殊勝な態度を見せ、法廷ではしばしば涙をこぼしていた。

 一審判決の間際、被告人質問の時に、Bは、たった1人で死んでいった被害者のことを尋ねられて、激しく嗚咽をもらしながら、こう答えている。

「自分の無残さを直視して死んでいった。死期を待っている間、あの人がどんな……少しも考えていませんでした。自分は人間じゃないと思います。悪魔、人のことを不幸にして……」

 弁護士たちは、

「子供たちは真剣に反省し、更生の努力をしている」

 と主張したが、それがいかに空々しいことだったのかはその10数年後の2004年、Bが起こした「逮捕監禁致傷事件」でハッキリとわかることになる――。

 ***

後編】では、再犯となる「逮捕監禁致傷事件」での、Bの“鬼畜行為”のすべてを報じている。

デイリー新潮編集部

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