「熱海を怪獣の街にしたい」 驚きの“リノベ構想”は一体どういうことか

エンタメ

  • ブックマーク

 熱海は昭和の中ごろには定番の新婚旅行先だったが、「キングコング対ゴジラ」(1962年、東宝)はじめ、黎明期の怪獣映画の舞台にもなった。令和のいま、この地を「怪獣の街に」と意気込む人たちがいる。

 ***

「怪獣にゆかりの深い地で怪獣映画祭を開催する」

 平成の世の終わりごろ、脚本家の伊藤和典さんらにより生まれたこのアイデアは2018年10月、「第1回熱海怪獣映画祭」として実現。伊藤さん脚本の『ガメラ2 レギオン襲来』の上映やトークショーに集まった約200人は大いに盛り上がる。

 成功を受けて主催者は一般社団法人を立ち上げ、第2回以降も開催した。20年はコロナ禍で中止。続く2年間も動員は各1000人に満たなかったが、22年の第5回から屋外イベントも併催し、昨年と今年は約5000人を動員した。

怪獣映画のワンシーンを再現

 そんなイベントが、27年開催予定の第10回に2万人動員を目標に掲げる。広告会社で「ウルトラマン」シリーズの劇場映画に携わり、熱海移住後の今年、「熱海怪獣映画祭」顧問に就任した武藤博昭氏が言うには、

「熱海市などとも相談しつつ、従来の名物、海上花火大会に加え、往年の怪獣映画のワンシーンをドローンショーで再現するなど、新たな観光資源としての怪獣映画と熱海の未来を考えたい」

 かつて東京・世田谷にあった「東宝ビルト」のような大型の撮影スタジオを誘致し、若者らが映像制作に励める環境を整えるという腹案も。「映画村のような新規のインフラづくりにつながる広がりを持てたら」(同)との構想まで描く。

次ページ:「このままだとメジャーな映画祭には発展しない」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。