マハラジャで活躍後、ロスに移住…DJ TSUYOSHIが「過去の写真を全部捨てた」理由とは

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DJブースの横で泣いてる人を見て

「今の自分」と生きるようになったTSUYOSHIさんは「どんどん成長した」という。併せて、仕事の内容も変化していった。

「夜のDJをメインにする生活は50代ぐらいまで続けましたが、体力的に辛くなってくるんですよ。あと、サーフィンができなくなってしまう。そんな時に『OCEAN TRIBE』(レギュラー出演しているBAYFMラジオ番組)が軌道に乗ったんで、そっちの世界を軸にして、ゲストDJは本当に自分を必要としているところへ行くようになりました。それがちょうど10年ちょっと前ですね」

 帰国後もマハラジャのDJスタイルを求められることに、複雑な感情を抱いていたという。

「僕が進化している以上、選曲も最先端をやりたいですよ。封印を解いてユーロビートをかけるのはマハラジャ関連のイベントだけ。その時の僕は当時の『DJ TSUYOMEN』ですよ(笑)。でも、ちょっと前にROPPONGIでやった時、DJブースの横で泣いてる人たちがいたんですよね。かつてのお客様世代の人。そんな姿を見ると、そういうこだわりはもういらねぇかなと(笑)」

今のお客様たちにハッピーを返してあげたい

 バブル崩壊から現在まで、当たり前だが時代の変化は止まらない。TSUYOSHIさん夫妻の子どもたちも、「時代は変わってるよ」と親にアップデートを求めるほど成長した。だからTSUYOSHIさんも変化を止めない。

「子どもたちのおかげで、こうした方がいいかなって自分でも考えるようになりました。それも自分のためじゃなく、ラジオのリスナーさんのためだって思えるようになったのが、すごくよかったですね」

「サーフィンはわからないけど、あんたの声で元気になってる」と年配者に感謝された。普段なら徒歩10分のスタジオまで、大雪の日に2時間半かけてたどり着いたこともある。そうした経験は、「這いつくばってでもみんなに声を届ける」という決意につながった。

「ファンの方が会いに来てくれたり、応援してくれたりすると、DJという仕事を信じて突き詰めてよかったなと思うようになりました。好きな仕事をしながら人生を歩めるって、何よりも幸せなことだと思うんですよ。だから感謝しなきゃいけない。今のお客様たちにハッピーを返してあげたいと思えるほど、大人になったってことですよね」

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